三十六歌仙とは、平安時代の半ばに藤原公任(966~1041年)がつくった『三十六人集』(『三十六人撰』とも言う)にもとづく36人のすぐれた歌人のことです。小倉百人一首にはその中から25人の和歌がおさめられており、公任の和歌も入っています(55番歌)。
百人一首の三十六歌仙の歌
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本文 | 作者 | |
3 | あしひきのやまどりのをのしだりをの、ながながしよをひとりかもねむ | 柿本人麻呂 |
4 | たごのうらにうちいでてみればしろたへの、ふじのたかねにゆきはふりつつ | 山部赤人 |
5 | おくやまにもみぢふみわけなくしかの、こゑきくときぞあきはかなしき | 猿丸大夫 |
6 | かささぎのわたせるはしにおくしもの、しろきをみればよぞふけにける | 大伴家持 |
9 | はなのいろはうつりにけりないたづらに、わがみよにふるながめせしまに | 小野小町 |
12 | あまつかぜくものかよひぢふきとぢよ、をとめのすがたしばしとどめむ | 僧正遍昭 |
17 | ちはやぶるかみよもきかずたつたがは、からくれなゐにみづくくるとは | 在原業平 |
18 | すみのえのきしによるなみよるさへや、ゆめのかよひぢひとめよくらむ | 藤原敏行朝臣 |
19 | なにはがたみじかきあしのふしのまも、あはでこのよをすぐしてよとや | 伊勢 |
21 | いまこむといひしばかりにながつきの、ありあけのつきをまちいでつるかな | 素性法師 |
27 | みかのはらわきてながるるいづみがは、いつみきとてかこひしかるらむ | 中納言兼輔 |
28 | やまざとはふゆぞさびしさまさりける、ひとめもくさもかれぬとおもへば | 源宗于朝臣 |
29 | こころあてにをらばやをらむはつしもの、おきまどはせるしらぎくのはな | 凡河内躬恒 |
30 | ありあけのつれなくみえしわかれより、あかつきばかりうきものはなし | 壬生忠岑 |
31 | あさぼらけありあけのつきとみるまでに、よしののさとにふれるしらゆき | 坂上是則 |
33 | ひさかたのひかりのどけきはるのひに、しづごころなくはなのちるらむ | 紀友則 |
34 | たれをかもしるひとにせむたかさごの、まつもむかしのともならなくに | 藤原興風 |
35 | ひとはいさこころもしらずふるさとは、はなぞむかしのかににほひける | 紀貫之 |
40 | しのぶれどいろにいでにけりわがこひは、ものやおもふとひとのとふまで | 平兼盛 |
41 | こひすてふわがなはまだきたちにけり、ひとしれずこそおもひそめしか | 壬生忠見 |
42 | ちぎりきなかたみにそでをしぼりつつ、すゑのまつやまなみこさじとは | 清原元輔 |
43 | あひみてののちのこころにくらぶれば、むかしはものをおもはざりけり | 権中納言敦忠 |
44 | あふことのたえてしなくはなかなかに、ひとをもみをもうらみざらまし | 中納言朝忠 |
48 | かぜをいたみいはうつなみのおのれのみ、くだけてものをおもふころかな | 源重之 |
49 | みかきもりゑじのたくひのよるはもえ、ひるはきえつつものをこそおもへ | 大中臣能宣朝臣 |
●参考:『歌枕 歌ことば辞典』片桐洋一、笠間書院、1999年