百人一首

百人一首の女性の歌(全21首)

百人一首の女性の歌(全21首)

投稿日:2018年8月1日 更新日:

小倉百人一首には女の歌がぜんぶで21首あり、かるた遊びでは21枚の「姫」の絵札として知られています。これらをすべて現代語訳して一覧表にまとめましたので、百人一首の女性歌人(女流歌人)の和歌をお楽しみください。

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小倉百人一首の女性歌人の内訳

百人一首の女性の歌のほとんどは、宮中に出仕(しゅっし)して働く女房によるもので、ぜんぶで17首にのぼります。

立場 歌数
女帝
(女性の天皇)
1 2はるすぎて(持統天皇)
内親王
(天皇の姉妹・娘)
1 89たまのをよ(式子内親王)
女房
(宮仕えして働く女性)
17 9はなのいろは(小野小町)
19なにはがた(伊勢)
38わすらるる(右近)
56あらざらむ(和泉式部)
57めぐりあひて(紫式部)
58ありまやま(大弐三位)
59やすらはで(赤染衛門)
60おほえやま(小式部内侍)
61いにしへの(伊勢大輔)
62よをこめて(清少納言)
65うらみわび(相模)
67はるのよの(周防内侍)
72おとにきく(祐子内親王家紀伊)
80ながからむ(待賢門院堀河)
88なにはえの(皇嘉門院別当)
90みせばやな(殷富門院大輔)
92わがそでは(二条院讃岐)
2 53なげきつつ(右大将道綱母)
54わすれじの(儀同三司母)

 

百人一首の女性の歌一覧(歌番号順)

まずは女性の歌を一覧にして並べます。現代語訳一覧はこの表の下に表示します。表の左端にある歌番号を押すと、言葉の意味や文法の解説をご覧いただけます。

本文 作者
2 はるすぎてなつきにけらししろたへの、ころもほすてふあまのかぐやま 持統天皇
9 はなのいろはうつりにけりないたづらに、わがみよにふるながめせしまに 小野小町
19 なにはがたみじかきあしのふしのまも、あはでこのよをすぐしてよとや 伊勢
38 わすらるるみをばおもはずちかひてし、ひとのいのちのをしくもあるかな 右近
53 なげきつつひとりぬるよのあくるまは、いかにひさしきものとかはしる 右大将道綱母
54 わすれじのゆくすゑまではかたければ、けふをかぎりのいのちともがな 儀同三司母
56 あらざらむこのよのほかのおもひでに、いまひとたびのあふこともがな 和泉式部
57 めぐりあひてみしやそれともわかぬまに、くもがくれにしよはのつきかな 紫式部
58 ありまやまゐなのささはらかぜふけば、いでそよひとをわすれやはする 大弐三位
59 やすらはでねなましものをさよふけて、かたぶくまでのつきをみしかな 赤染衛門
60 おほえやまいくののみちのとほければ、まだふみもみずあまのはしだて 小式部内侍
61 いにしへのならのみやこのやへざくら、けふここのへににほひぬるかな 伊勢大輔
62 よをこめてとりのそらねははかるとも、よにあふさかのせきはゆるさじ 清少納言
65 うらみわびほさぬそでだにあるものを、こひにくちなむなこそをしけれ 相模
67 はるのよのゆめばかりなるたまくらに、かひなくたたむなこそをしけれ 周防内侍
72 おとにきくたかしのはまのあだなみは、かけじやそでのぬれもこそすれ 祐子内親王家紀伊
80 ながからむこころもしらずくろかみの、みだれてけさはものをこそおもへ 待賢門院堀河
88 なにはえのあしのかりねのひとよゆゑ、みをつくしてやこひわたるべき 皇嘉門院別当
89 たまのをよたえなばたえねながらへば、しのぶることのよわりもぞする 式子内親王
90 みせばやなをじまのあまのそでだにも、ぬれにぞぬれしいろはかはらず 殷富門院大輔
92 わがそではしほひにみえぬおきのいしの、ひとこそしらねかわくまもなし 二条院讃岐

 

女性の歌現代語訳一覧表

本文 現代語訳
2 はるすぎて
なつきにけらし
しろたへの、
ころもほすてふ
あまのかぐやま
春が過ぎて夏が来たらしい。「夏になると衣を干す」という天の香具山に衣が干してある。【持統天皇】
9 はなのいろは
うつりにけりな
いたづらに、
わがみよにふる
ながめせしまに
花の色はおとろえてしまったなあ。私がこの世でむなしく過ごしている間に、というわけではないけれど、降り続く長雨をぼんやりと見ながら物思いにふける間に。【小野小町】
19 なにはがた
みじかきあしの
ふしのまも、
あはでこのよを
すぐしてよとや
難波潟に生えている葦の、その短い節と節の間のように短い間も、あなたに逢わずにこの世を過ごせと言うのでしょうか。【伊勢】
38 わすらるる
みをばおもはず
ちかひてし、
ひとのいのちの
をしくもあるかな
あなたに忘れられる我が身のことは何ともおもわないが、心変わりしないと誓ったあなたの命が、誓いを破った罰で失われることがもったいなくも思われることだ。【右近】
53 なげきつつ
ひとりぬるよの
あくるまは、
いかにひさしき
ものとかはしる
あなたが来ないのを嘆きながら、一人で寝る夜が明けるまでの間は、どれほど長いものなのか、あなたは知っているだろうか、いや、知らないだろう。【右大将道綱母】
54 わすれじの
ゆくすゑまでは
かたければ、
けふをかぎりの
いのちともがな
あなたが私を忘れまいとおっしゃる、その遠い将来のことまでは、頼みにしがたいことなので、こうしてお逢いしている今日かぎりの命であってほしいものです。【儀同三司母】
56 あらざらむ
このよのほかの
おもひでに、
いまひとたびの
あふこともがな
この世からいなくなってしまうので、思い出にもう一度あなたにお逢いしたいのです。【和泉式部】
57 めぐりあひて
みしやそれとも
わかぬまに、
くもがくれにし
よはのつきかな
久々に再会して、昔見た面影かどうかも見分けがつかない間に、雲にかくれた夜の月ではないけれど、帰ってしまったあの人よ。【紫式部】
58 ありまやま
ゐなのささはら
かぜふけば、
いでそよひとを
わすれやはする
有馬山にほど近い猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと音をたてるように、さあ、そうですよ、あなたのことを忘れることがありましょうか、いや、けっして忘れません。【大弐三位】
59 やすらはで
ねなましものを
さよふけて、
かたぶくまでの
つきをみしかな
あなたが来ないと知っていたら、ためらわずに寝てしまったのですが、あなたをお待ちして、夜が更けて西の空にかたむくほどの月を見てしまったことです。【赤染衛門】
60 おほえやま
いくののみちの
とほければ、
まだふみもみず
あまのはしだて
大江山を越え、生野を通って行く道のりが遠いので、母の和泉式部がいる天橋立へ行ったことはまだありませんし、母からの手紙をまだ見ておりません。【小式部内侍】
61 いにしへの
ならのみやこの
やへざくら、
けふここのへに
にほひぬるかな
昔の奈良の都に咲いた八重桜が、今日はこの宮中に美しく咲いたことだ。【伊勢大輔】
62 よをこめて
とりのそらねは
はかるとも、
よにあふさかの
せきはゆるさじ
夜が深いうちに、鶏の鳴きまねをしてだまそうとしても、函谷関で通行が許されたのとは異なって、私があなたと逢うという、その逢坂の関は、決してお通りになれますまい。【清少納言】
65 うらみわび
ほさぬそでだに
あるものを、
こひにくちなむ
なこそをしけれ
うらみにうらんで、もはやうらむ気力すら失って、涙でかわくひまもない袖さえくちおしく思われるのに、恋の評判のためにきっと朽ちてしまうであろう私の名がもったいないことだ。【相模】
67 はるのよの
ゆめばかりなる
たまくらに、
かひなくたたむ
なこそをしけれ
春の夜の夢のようにはかないものとして、あなたの腕を枕にお借りすることによって、つまらなくも知れわたるような我が浮名(うきな)がもったいなく思われることです。【周防内侍】
72 おとにきく
たかしのはまの
あだなみは、
かけじやそでの
ぬれもこそすれ
評判の高い高師の浜のいたずらに立ち騒ぐ波ではないけれど、浮気者のあなたを心に掛けることはいたしません。涙で袖を濡らすことになるといけないから。【祐子内親王家紀伊】
80 ながからむ
こころもしらず
くろかみの、
みだれてけさは
ものをこそおもへ
私に対するお心が長く続くかもわからず、お逢いして別れた今朝の私の心は、黒髪のように乱れて思い悩むことです。【待賢門院堀河】
88 なにはえの
あしのかりねの
ひとよゆゑ、
みをつくしてや
こひわたるべき
難波に生えている葦(あし)の、その刈り根の一節(ひとよ)のように短い一夜をともに過ごしたせいで、澪標(みおつくし)ではないけれど、この身をささげつくして恋をしつづけなければならないのだろうか。【皇嘉門院別当】
89 たまのをよ
たえなばたえね
ながらへば、
しのぶることの
よわりもぞする
私の命よ、絶えてしまうならば絶えてしまえ。生き長らえていたら、胸の内に秘める力が弱まって、秘めていられなくなってしまうと困るから。【式子内親王】
90 みせばやな
をじまのあまの
そでだにも、
ぬれにぞぬれし
いろはかはらず
あなたにお見せしたいものだ。雄島の海人の袖さえ、いくら濡れても色は変わらない。それなのに、血の涙に濡れて色が変わってしまった私の袖を。【殷富門院大輔】
92 わがそでは
しほひにみえぬ
おきのいしの、
ひとこそしらね
かわくまもなし
私の袖は、干潮の時でも見えない沖の石のように、人は知らないが、涙にぬれてかわくひまもない。【二条院讃岐】

 

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あきぜに ぎりす はるぎて
あきたの こころてに はるよの
ぬれば こころ かたの
あさふの ひとを ひといさ
あさぼらけ たびは ひとをし
あさぼらけ すてふ くからに
ひきの やこの ととぎす
あはしま びしさに みかもり
あはとも ぶれど みかはら
みての つゆに ばやな
あふとの みのえの のくの
あまかぜ をはやみ しのの
あまはら さごの らさめの
あららむ のおとは ぐりあひて
あらふく のうらに しきや
ありけの わかれ ともに
ありやま のをよ らはで
しへの をかも むぐら
いまむと ちぎりきし やまはに
いまただ ちぎり やまとは
りける やぶる されば
みわび みれば のとを
やまに ばねの よのなか
にきく ながらむ よのなか
おほやま ながへば すがら
おほなく なげつつ こめて
ひわび なげとて わがほは
とだに のよは わがでは
さぎの なにおはば わするる
かぜよぐ なには わすじの
かぜいたみ なには わたのはら
きみがため はなそふ わたのはら
きみがため はないろは ぬれば
らやま

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