小倉百人一首を勅撰和歌集の部立てごとに分類すると、春夏秋冬の和歌は33首にのぼります(※26番歌「雑秋」を含む場合)。これは恋愛の和歌43首に次いで多い数です。ここでは百人一首の四季の歌を一覧表にしてご紹介します。※歌番号を押すと各歌の現代語訳・文法解説に移動します。
四季の歌一覧
春
本文 | 作者 | |
9 | はなのいろはうつりにけりないたづらに、わがみよにふるながめせしまに | 小野小町 |
15 | きみがためはるののにいでてわかなつむ、わがころもでにゆきはふりつつ | 光孝天皇 |
33 | ひさかたのひかりのどけきはるのひに、しづごころなくはなのちるらむ | 紀友則 |
35 | ひとはいさこころもしらずふるさとは、はなぞむかしのかににほひける | 紀貫之 |
61 | いにしへのならのみやこのやへざくら、けふここのへににほひぬるかな | 伊勢大輔 |
73 | たかさごのをのへのさくらさきにけり、とやまのかすみたたずもあらなむ | 権中納言匡房 |
夏
本文 | 作者 | |
2 | はるすぎてなつきにけらししろたへの、ころもほすてふあまのかぐやま | 持統天皇 |
36 | なつのよはまだよひながらあけぬるを、くものいづこにつきやどるらむ | 清原深養父 |
81 | ほととぎすなきつるかたをながむれば、ただありあけのつきぞのこれる | 後徳大寺左大臣 |
98 | かぜそよぐならのをがはのゆふぐれは、みそぎぞなつのしるしなりける | 従二位家隆 |
秋
本文 | 作者 | |
1 | あきのたのかりほのいほのとまをあらみ、わがころもではつゆにぬれつつ | 天智天皇 |
5 | おくやまにもみぢふみわけなくしかの、こゑきくときぞあきはかなしき | 猿丸大夫 |
17 | ちはやぶるかみよもきかずたつたがは、からくれなゐにみづくくるとは | 在原業平朝臣 |
22 | ふくからにあきのくさきのしをるれば、むべやまかぜをあらしといふらむ | 文屋康秀 |
23 | つきみればちぢにものこそかなしけれ、わがみひとつのあきにはあらねど | 大江千里 |
26 | をぐらやまみねのもみぢばこころあらば、いまひとたびのみゆきまたなむ | 貞信公 |
29 | こころあてにをらばやをらむはつしもの、おきまどはせるしらぎくのはな | 凡河内躬恒 |
32 | やまがはにかぜのかけたるしがらみは、ながれもあへぬもみぢなりけり | 春道列樹 |
37 | しらつゆにかぜのふきしくあきののは、つらぬきとめぬたまぞちりける | 文屋朝康 |
47 | やへむぐらしげれるやどのさびしきに、ひとこそみえねあきはきにけり | 恵慶法師 |
69 | あらしふくみむろのやまのもみぢばは、たつたのかはのにしきなりけり | 能因法師 |
70 | さびしさにやどをたちいでてながむれば、いづこもおなじあきのゆふぐれ | 良暹法師 |
71 | ゆふさればかどたのいなばおとづれて、あしのまろやにあきかぜぞふく | 大納言経信 |
79 | あきかぜにたなびくくものたえまより、もれいづるつきのかげのさやけさ | 左京大夫顕輔 |
87 | むらさめのつゆもまだひぬまきのはに、きりたちのぼるあきのゆふぐれ | 寂蓮法師 |
91 | きりぎりすなくやしもよのさむしろに、ころもかたしきひとりかもねむ | 後京極摂政前太政大臣 |
94 | みよしののやまのあきかぜさよふけて、ふるさとさむくころもうつなり | 参議雅経 |
冬
本文 | 作者 | |
4 | たごのうらにうちいでてみればしろたへの、ふじのたかねにゆきはふりつつ | 山部赤人 |
6 | かささぎのわたせるはしにおくしもの、しろきをみればよぞふけにける | 大伴家持 |
28 | やまざとはふゆぞさびしさまさりける、ひとめもくさもかれぬとおもへば | 源宗于朝臣 |
31 | あさぼらけありあけのつきとみるまでに、よしののさとにふれるしらゆき | 坂上是則 |
64 | あさぼらけうぢのかはぎりたえだえに、あらはれわたるせぜのあじろぎ | 権中納言定頼 |
78 | あはぢしまかよふちどりのなくこゑに、いくよねざめぬすまのせきもり | 源兼昌 |