91~100番歌

百人一首の意味と文法解説(99)人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は┃後鳥羽院

小倉百人一首解説:和歌の現代語訳・古文単語の意味・文法解説・品詞分解-99

投稿日:2018年3月12日 更新日:

人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は

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小倉百人一首から、後鳥羽院の和歌に現代語訳と品詞分解をつけて、古文単語の意味や、助詞および助動詞の文法知識について整理しました。

また、くずし字・変体仮名で書かれた江戸時代の本の画像も載せております。

ふだん我々が使っている字の形になおした(翻刻と言う)ものと、ひらがなのもとになった漢字(字母)も紹介しておりますので、ぜひ見比べてみてください。

原文

ogura-hyakunin-isshu-99

百人一首(99)人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は


画像転載元
国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2541162

翻刻(ほんこく)(普段使っている字の形になおす)

hyakuni-isshu-honkoku-99

百人一首(99)人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は

釈文(しゃくもん)(わかりやすい表記)

後鳥羽院
人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
 

字母(じぼ)(ひらがなのもとになった漢字)

hyakunin-isshu-jibo-99

百人一首(99)人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は

現代語訳(歌意)・文法解説

※この和歌の題やよまれた事情はあきらかでない。

ある時は人をいとしく思い、またある時はうらめしくも思われる。どうにもならないと世の中のことを思うために、あれこれと物思いにふける私にとっては。

人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は

人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は

※初句切れ。二句切れ。終止形が切れ目となる場合が多いです。
 

語釈(言葉の意味)

※『岩波 古語辞典 補訂版』(大野晋・佐竹昭広・前田金五郎 編集、岩波書店、1990年)による。

詞書(ことばがき)

※詞書とは、和歌がよまれた事情を説明する短い文のことで、和歌の前につけられます。

題しらず(※和歌の題やよまれた事情が明らかでないこと。)

※詞書の引用は『和歌文学大系 続後撰和歌集』(佐藤恒雄、2017年、明治書院、209ページ)によります。
 

を・し【惜し・愛し】

〘形シク〙《すでに手中にしているものが大事で、手放せない感情をいう語。類義語アタラシは、その物のよさ美しさが生かされないのを、もったいないと思う意》
①(失ったり、そこなわれたりすることが)もったいない。「玉匣(たまくしげ)明けまく―・しきあたら夜を袖(ころもで)離(か)れて独りかも寝む」〈万一六九三〉。「お前の藤の花、いと面白う咲き乱れて、世の常の色ならず、ただ見過ぐさむ事―・しきさかりなるに」〈源氏藤裏葉〉
②(大切でかけがえないから)手放しがたく、いとしい。名残がつきない。「わが背子は玉にもがもな手に巻きて見つつ行かむを置きて行かば―・し」〈万三九九〇〉。「〔馬ヲ〕しきりに乞ひけるを『汝が欲しく思ふほどに我は―・しう思ふぞ』」〈著聞五一二〉
 

物思ふ

●ものおも・ひ ‥オモイ 【物思ひ】
一〘四段〙
胸のうちで思いにふける。物ごとを、悩み煩う。「春山の霧に惑(まと)へる鶯も我にまさりて―・はめや」〈万一八九二〉
二〘名〙
 

み【身】

一〘名〙
①人や動物の肉体。身体。「吾が―こそ関山越えてここにあらめ心は妹に寄りにしものを」〈万三七五七〉
②わが身。自分。「これは―の為も人の御為も、よろこびには侍らずや」〈枕八二〉
 

百人一首の現代語訳と文法解説はこちらで確認

こちらは小倉百人一首の現代語訳一覧です。それぞれの歌の解説ページに移動することもできます。

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あきぜに ぎりす はるぎて
あきたの こころてに はるよの
ぬれば こころ かたの
あさふの ひとを ひといさ
あさぼらけ たびは ひとをし
あさぼらけ すてふ くからに
ひきの やこの ととぎす
あはしま びしさに みかもり
あはとも ぶれど みかはら
みての つゆに ばやな
あふとの みのえの のくの
あまかぜ をはやみ しのの
あまはら さごの らさめの
あららむ のおとは ぐりあひて
あらふく のうらに しきや
ありけの わかれ ともに
ありやま のをよ らはで
しへの をかも むぐら
いまむと ちぎりきし やまはに
いまただ ちぎり やまとは
りける やぶる されば
みわび みれば のとを
やまに ばねの よのなか
にきく ながらむ よのなか
おほやま ながへば すがら
おほなく なげつつ こめて
ひわび なげとて わがほは
とだに のよは わがでは
さぎの なにおはば わするる
かぜよぐ なには わすじの
かぜいたみ なには わたのはら
きみがため はなそふ わたのはら
きみがため はないろは ぬれば
らやま

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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
お菓子メーカー勤務のサラリーマン
趣味は歌舞伎鑑賞(2012年~)
歌舞伎の観客のすそ野を広げるには古典教育から見直す必要があると考えているので、このブログで古文にまつわる情報を発信しております。


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