51~60番歌

百人一首の意味と文法解説(52)明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな┃藤原道信朝臣

小倉百人一首解説:和歌の現代語訳・古文単語の意味・文法解説・品詞分解-52

投稿日:2018年3月12日 更新日:

明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな

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小倉百人一首から、藤原道信朝臣の和歌に現代語訳と品詞分解をつけて、古文単語の意味や、助詞および助動詞の文法知識について整理しました。

また、くずし字・変体仮名で書かれた江戸時代の本の画像も載せております。

ふだん我々が使っている字の形になおした(翻刻と言う)ものと、ひらがなのもとになった漢字(字母)も紹介しておりますので、ぜひ見比べてみてください。

原文

ogura-hyakunin-isshu-52

百人一首(52)明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな

画像転載元
国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2541162

翻刻(ほんこく)(普段使っている字の形になおす)

hyakuni-isshu-honkoku-52

百人一首(52)明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな

釈文(しゃくもん)(わかりやすい表記)

藤原道信朝臣
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
 

字母(じぼ)(ひらがなのもとになった漢字)

hyakunin-isshu-jibo-52

百人一首(52)明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな

現代語訳(歌意)・文法解説

「夜が明けるといつも日が暮れて、そして、あなたに逢えるのだ」とは知っていながら、やはり恨めしいのは(恋人と別れる時間の)夜が明ける頃であるよ。

明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな

明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな

※「已然形 + ば」の形で、「~から」「~すると」などの意味を表します。それぞれの意味は文脈によって判断します。「明けぬれば」は「夜が明けると(いつも)」です。

順接確定条件

順接確定条件

助詞の解説は「古典の助詞の覚え方」にまとめたのでご確認ください。

▽「さし当りて憂き事のあれば、後嬉しかるべきことをも言はずして悲しぶ事、人の心のならひ皆然なり(※さしあたって嫌なことがあると、そのあとに心がおどるようなことがあるのも心に掛けずに悲しむことは、人の気持ちの動きとして、いつもそのようなものである)」(百人一首改観抄)。(『新日本古典文学大系 後拾遺和歌集』久保田淳・平田喜信、1994年、岩波書店、219ページ)
 

語釈(言葉の意味)

 

あけぬれば

「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形。「已然形 + ば」の訳し方は下記の通り。

①~なので、
②~と、
③~といつも、

今回は③の意で「夜が明けるといつも」。
 

あさぼらけ【朝ぼらけ】

夜がほんのりと明けて、物がほのかに見える状態。また、その頃。多く秋や冬に使う。春は多くアケボノという。「―有明けの月と見るまでに吉野の里に降れる白雪」〈古今三三二〉。「夜明けぬ。ほのぼのとをかしき―に」〈源氏真木柱〉
(『岩波 古語辞典 補訂版』大野晋・佐竹昭広・前田金五郎 編集、岩波書店、1990年)
 

百人一首の現代語訳と文法解説はこちらで確認

こちらは小倉百人一首の現代語訳一覧です。それぞれの歌の解説ページに移動することもできます。

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あきぜに ぎりす はるぎて
あきたの こころてに はるよの
ぬれば こころ かたの
あさふの ひとを ひといさ
あさぼらけ たびは ひとをし
あさぼらけ すてふ くからに
ひきの やこの ととぎす
あはしま びしさに みかもり
あはとも ぶれど みかはら
みての つゆに ばやな
あふとの みのえの のくの
あまかぜ をはやみ しのの
あまはら さごの らさめの
あららむ のおとは ぐりあひて
あらふく のうらに しきや
ありけの わかれ ともに
ありやま のをよ らはで
しへの をかも むぐら
いまむと ちぎりきし やまはに
いまただ ちぎり やまとは
りける やぶる されば
みわび みれば のとを
やまに ばねの よのなか
にきく ながらむ よのなか
おほやま ながへば すがら
おほなく なげつつ こめて
ひわび なげとて わがほは
とだに のよは わがでは
さぎの なにおはば わするる
かぜよぐ なには わすじの
かぜいたみ なには わたのはら
きみがため はなそふ わたのはら
きみがため はないろは ぬれば
らやま

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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
お菓子メーカー勤務のサラリーマン
趣味は歌舞伎鑑賞(2012年~)
歌舞伎の観客のすそ野を広げるには古典教育から見直す必要があると考えているので、このブログで古文にまつわる情報を発信しております。


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