古典文法

古文の形容動詞の活用の基本 – ナリ活用・タリ活用の覚え方

古文の形容動詞の活用の基本 - ナリ活用・タリ活用の覚え方

投稿日:2018年5月14日 更新日:

古文の形容動詞の活用の覚え方をご紹介します。覚えるのはナリ活用とタリ活用です。

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古文の形容動詞の活用表の覚え方

まずは形容動詞が古典文法全体の中で、どの位置にあるかご確認ください。下の表は覚えなくて大丈夫です。

単語の分類-形容動詞

単語の分類-形容動詞

さて、形容動詞を覚えるにあたって、準備がありますのでこちらをご覧ください。
 
 

古典の形容動詞を覚えるための準備

形容詞のページでも同じことを書きましたので、すでにご存じの方はとばしていただいてかまいません。

まずは、それぞれの活用形を覚えます。

・未然(みぜん)
・連用(れんよう)
・終止(しゅうし)
・連体(れんたい)
・已然(いぜん)
・命令(めいれい)

まだ覚えていない方は、「みぜん・れんよう・しゅうし・れんたい・いぜん・めいれい」と30回、音読しましょう。また、覚えるときには指を折ってかぞえると効果的です。

未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形

未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形

この図のように、活用形がそれぞれの指と対応していると、じっさいに古文を読んでいるときに、品詞分解がしやすくなります。
 
 

形容動詞のナリ活用・タリ活用

形容動詞の活用表です。

古文の形容動詞の活用表

古文の形容動詞の活用表

 

形容動詞・ナリ活用

形容動詞のナリ活用の覚え方です。30回、音読しましょう。

なら、なり・に、なり、なる、なれ、なれ

ナリ活用:なら、なり・に、なり、なる、なれ、なれ

ナリ活用:なら、なり・に、なり、なる、なれ、なれ

 
●例)『徒然草(つれづれぐさ)』序段

つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

訳)
することがなくて退屈で孤独(こどく)なまま、一日中、硯(すずり)にむかって、心に浮かんでは消えるつまらない事を、とりとめもなく書きつけてみると、ふしぎとおかしな気分になってくる。

つれづれなるままに

つれづれなるままに

※本文の引用は『新版徒然草』(小川剛生訳注、角川ソフィア文庫、2015年、14ページ)によります。

 

形容動詞・タリ活用

形容動詞のタリ活用の覚え方です。30回、音読しましょう。

たら、たり・と、たり、たる、たれ、たれ

タリ活用:たら、たり・と、たり、たる、たれ、たれ

タリ活用:たら、たり・と、たり、たる、たれ、たれ

形容動詞「タリ」の前に来る言葉は、漢語(漢字の音から成立している言葉)です。
 
●例)『詩経(しきょう)』周南

桃夭

桃夭

訳)
桃の木はわかわかしく、その花は赤々と輝く。この子がこうして嫁いでゆけば、家庭はきっとうまくゆく。
桃の木はわかわかしく、大きな実がふくらむ。この子がこうして嫁いでゆけば、家庭はきっとうまくゆく。
桃の木はわかわかしく、葉も青々としげる。この子がこうして嫁いでゆけば、家族はきっとうまくゆく。

桃夭

桃夭

※引用は『新釈漢文大系 詩経(上)』(石川忠久、明治書院、1997年、27ページ)によります。
 
 

助動詞「なり」「たり」と同じ活用

形容動詞のナリ活用・タリ活用は、それぞれ助動詞の「なり」・「たり」と同じ活用をします。

助動詞のナリ・タリと活用は同じ

助動詞のナリ・タリと活用は同じ

 
 

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古典が苦手な方はこちらの記事をチェック

古文が苦手な方はこちらの記事もご覧ください。

>> 古典文法の勉強法(基礎編)わかりやすい覚え方で用言の活用形から学ぶ

また、百人一首を品詞分解して現代語訳と文法解説をつけたページもございますので、勉強のテキストとしてぜひご利用ください。

>> 百人一首の現代語訳一覧(わかりやすい意味と解説で恋の歌も簡単に理解)

●参考文献
・『精選古典改訂版』北原保雄、平成21年、大修館書店
・『吉野の古典文法スーパー暗記帖』吉野敬介、2008年、学習研究社

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執筆者:

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