古文の形容動詞の活用の覚え方をご紹介します。覚えるのはナリ活用とタリ活用です。
古文の形容動詞の活用表の覚え方
まずは形容動詞が古典文法全体の中で、どの位置にあるかご確認ください。下の表は覚えなくて大丈夫です。
古典の形容動詞を覚えるための準備
形容詞のページでも同じことを書きましたので、すでにご存じの方はとばしていただいてかまいません。
まずは、それぞれの活用形を覚えます。
・未然(みぜん)
・連用(れんよう)
・終止(しゅうし)
・連体(れんたい)
・已然(いぜん)
・命令(めいれい)
まだ覚えていない方は、「みぜん・れんよう・しゅうし・れんたい・いぜん・めいれい」と30回、音読しましょう。また、覚えるときには指を折ってかぞえると効果的です。
形容動詞のナリ活用・タリ活用
形容動詞の活用表です。
形容動詞・ナリ活用
形容動詞のナリ活用の覚え方です。30回、音読しましょう。
なら、なり・に、なり、なる、なれ、なれ
●例)『徒然草(つれづれぐさ)』序段
つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
訳)
することがなくて退屈で孤独(こどく)なまま、一日中、硯(すずり)にむかって、心に浮かんでは消えるつまらない事を、とりとめもなく書きつけてみると、ふしぎとおかしな気分になってくる。
※本文の引用は『新版徒然草』(小川剛生訳注、角川ソフィア文庫、2015年、14ページ)によります。
形容動詞・タリ活用
形容動詞のタリ活用の覚え方です。30回、音読しましょう。
たら、たり・と、たり、たる、たれ、たれ
形容動詞「タリ」の前に来る言葉は、漢語(漢字の音から成立している言葉)です。
●例)『詩経(しきょう)』周南
桃の木はわかわかしく、その花は赤々と輝く。この子がこうして嫁いでゆけば、家庭はきっとうまくゆく。
桃の木はわかわかしく、大きな実がふくらむ。この子がこうして嫁いでゆけば、家庭はきっとうまくゆく。
桃の木はわかわかしく、葉も青々としげる。この子がこうして嫁いでゆけば、家族はきっとうまくゆく。
※引用は『新釈漢文大系 詩経(上)』(石川忠久、明治書院、1997年、27ページ)によります。
助動詞「なり」「たり」と同じ活用
形容動詞のナリ活用・タリ活用は、それぞれ助動詞の「なり」・「たり」と同じ活用をします。
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>> 古典文法の勉強法(基礎編)わかりやすい覚え方で用言の活用形から学ぶ
また、百人一首を品詞分解して現代語訳と文法解説をつけたページもございますので、勉強のテキストとしてぜひご利用ください。
>> 百人一首の現代語訳一覧(わかりやすい意味と解説で恋の歌も簡単に理解)
●参考文献
・『精選古典改訂版』北原保雄、平成21年、大修館書店
・『吉野の古典文法スーパー暗記帖』吉野敬介、2008年、学習研究社