91~100番歌

百人一首の意味と文法解説(96)花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり┃入道前太政大臣

小倉百人一首解説:和歌の現代語訳・古文単語の意味・文法解説・品詞分解-96

投稿日:2018年3月12日 更新日:

花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり

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小倉百人一首から、入道前太政大臣の和歌に現代語訳と品詞分解をつけて、古文単語の意味や、助詞および助動詞の文法知識について整理しました。

また、くずし字・変体仮名で書かれた江戸時代の本の画像も載せております。

ふだん我々が使っている字の形になおした(翻刻と言う)ものと、ひらがなのもとになった漢字(字母)も紹介しておりますので、ぜひ見比べてみてください。

原文

ogura-hyakunin-isshu-96

百人一首(96)花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり

画像転載元
国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2541162

翻刻(ほんこく)(普段使っている字の形になおす)

hyakuni-isshu-honkoku-96

百人一首(96)花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり

釈文(しゃくもん)(わかりやすい表記)

入道前太政大臣
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
 

字母(じぼ)(ひらがなのもとになった漢字)

hyakunin-isshu-jibo-96

百人一首(96)花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり

現代語訳(歌意)・文法解説

※落ちる花をよみました歌。

花を誘って散らせる強風が吹く庭に、積もっている雪のような花びらではなく、老いていくのは私の身であることだ。

花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり

花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり

※縁語(えんご)。ある言葉から連想される「縁(えん)」のある言葉のことです。

※過去の助動詞「けり」が和歌の中に使われる場合は基本的に、詠嘆(えいたん)(~だなあ・~ことだ)の意味で訳します。
 

語釈(言葉の意味)

※特記のないかぎり『岩波 古語辞典 補訂版』(大野晋・佐竹昭広・前田金五郎 編集、岩波書店、1990年)による。
 

詞書(ことばがき)

※詞書とは、和歌がよまれた事情を説明する短い文のことで、和歌の前に置かれます。

落花(らっか/おつるはな)をよみ侍(はべり)ける(※落ちる花をよみました歌。)

※詞書の引用は『和歌文学大系 新勅撰和歌集』(中川博夫、2005年、明治書院、199ページ)によります。
 

ならで

(※断定の助動詞「なり」未然形+打消の接続助詞「で」。「~ではなく」の意。)
 

ふり

「古り」と「降り」の掛詞で「花」「雪」と縁語。(『和歌文学大系 新勅撰和歌集』199ページ)
 

百人一首の現代語訳と文法解説はこちらで確認

こちらは小倉百人一首の現代語訳一覧です。それぞれの歌の解説ページに移動することもできます。

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あきぜに ぎりす はるぎて
あきたの こころてに はるよの
ぬれば こころ かたの
あさふの ひとを ひといさ
あさぼらけ たびは ひとをし
あさぼらけ すてふ くからに
ひきの やこの ととぎす
あはしま びしさに みかもり
あはとも ぶれど みかはら
みての つゆに ばやな
あふとの みのえの のくの
あまかぜ をはやみ しのの
あまはら さごの らさめの
あららむ のおとは ぐりあひて
あらふく のうらに しきや
ありけの わかれ ともに
ありやま のをよ らはで
しへの をかも むぐら
いまむと ちぎりきし やまはに
いまただ ちぎり やまとは
りける やぶる されば
みわび みれば のとを
やまに ばねの よのなか
にきく ながらむ よのなか
おほやま ながへば すがら
おほなく なげつつ こめて
ひわび なげとて わがほは
とだに のよは わがでは
さぎの なにおはば わするる
かぜよぐ なには わすじの
かぜいたみ なには わたのはら
きみがため はなそふ わたのはら
きみがため はないろは ぬれば
らやま

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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
お菓子メーカー勤務のサラリーマン
趣味は歌舞伎鑑賞(2012年~)
歌舞伎の観客のすそ野を広げるには古典教育から見直す必要があると考えているので、このブログで古文にまつわる情報を発信しております。


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