私は毎月のように歌舞伎座の公演を見に行きますが、オペラグラスは欠かさずに持参します。
いつも利用する座席は三階席か四階の一幕見席なので、役者の表情までよく見えません。
双眼鏡があれば、舞台まで距離があっても俳優の目や眉の細かい動きまでよく見えるので、オペラグラスを手に観劇するのがおすすめです。
もちろん宝塚歌劇やコンサートなどでも役立つはずです。
ちなみに野球観戦でも使っています。
ケンコーの双眼鏡
私が使っているのはケンコーの双眼鏡です。
コンパクトで軽いので持ち運びに便利です。
歌舞伎座の三階席からのぞいてちょうど良い視界です。
ちなみに以前使っていたのは小学生の時に学習塾でもらった双眼鏡でしたが、壊れたので上記のものに買い換えました。
観劇に5年間くらい使いましたが、特に違和感はなかったです。
使い勝手が良かったので壊れたときは残念でしたが、タダでもらったものですし、よく10年以上も使えたな、という印象です。
同じものを買おうと思って探しましたが、品切れで入手できませんでした。
そこで、できるだけ仕様が近いものを探して、たどりついたのが最初に示した双眼鏡というわけです。
倍率・明るさ・実視界
新たなオペラグラスを探すにあたって、双眼鏡の性能を表わす各種の数字の意味について調べました。
倍率
双眼鏡には数字が書いてありますよね。
現在、私が使っている双眼鏡には「8×21」と記されています。
これは「倍率8倍、対物レンズの大きさが21ミリ」ということです。
1) 倍率
双眼鏡・単眼鏡の倍率は肉眼で見た物の大きさと、双眼鏡・単眼鏡で見た物の大きさの上下・左右の長さの比をあらわしたものです。例えば、7倍の双眼鏡・単眼鏡で70m先の物を見た時には、10mまで近づいて肉眼で見るのと同じ大きさで見えることになります。倍率は高いほど良いように思われがちですが必ずしもそうではありません。倍率が高くなるほど視野が狭くなり、明るさも暗くなります。また、手の振動によって手ブレが起こりやすくなるなどの特性があります。ケンコー双眼鏡・単眼鏡は低倍率から高倍率まで幅広く取り揃えておりますので、目的に合わせて選ぶようにしましょう。2) 対物レンズ有効径
[POINT]
双眼鏡・単眼鏡をのぞく側とは反対側のレンズの直径のことで、双眼鏡・単眼鏡の明るさを知る上での目安となります。対物レンズ有効経が大きいほど双眼鏡・単眼鏡に入る光の量は多くなり、視野は明るくなります。(中略)◎コンサート観劇、屋外スポーツなどは・・・6~8倍のコンパクトタイプが便利。3倍程度のオペラグラスでも楽しめます。(後略)
※出典「双眼鏡・単眼鏡の基礎知識」https://ec1.kenko-web.jp/category/512.html(最終閲覧:2018年4月26日)
上記のとおり、倍率が高いほど良いわけではなく、観劇には3~8倍の双眼鏡が適しているようです。
たまたまですが、私がタダでもらって、ずっと使い続けていた8倍の双眼鏡は観劇に適していたようです。
明るさ(光明度)
また、倍率と対物レンズの大きさから、明るさを計算できます。
明るさの計算式は次の通りです。
明るさ = (対物レンズの大きさ ÷ 倍率)の二乗
7) 光明度(明るさ)
双眼鏡・単眼鏡をのぞいた時の明るさを数値で表したものを光明度(明るさ)と呼びます。 光明度が大きくなるほど視野は明るく、細部まではっきりと見えます。
ひとみ径 明るさ 7~5mm 49~25 人間の瞳孔が最大に開いた場合まで対応できるスペック。天体観測などにも使用できる明るさです。 3~5mm 9~25 薄暗い中物を見るのにも使える明るさです。 2~3mm 4~9 日中の使用に限るのであれば充分なスペック。しかし、暗所では視界が暗く、見えづらくなります。 2mm未満 4未満 晴天下以外での使用だと視界が暗く見えづらい場合があります。 出典「双眼鏡の基礎知識」http://www.kenko-tokina.co.jp/optics/binoculars-basic-knowledge.html(最終閲覧:2018年4月26日)
私が使っている「8×21」の双眼鏡の場合は次の通りです。
21 ÷ 8 = 2.625 ← ひとみ径
2.625 × 2.625 = 6.890625 ← 明るさ
カタログによく記載されているのは、この「明るさ」の数値です。
この数字を上の表に当てはめてみると、「日中の使用に限るのであれば充分なスペック。しかし、暗所では視界が暗く、見えづらくなります。」とのことです。
言われてみれば、舞台が暗くなる場面では多少見づらいかな、と感じますが、いま使っているもので特に不都合を感じたことはありません。
実視界
それでは「FIELD 7°」は何を表わすのでしょうか。
これは実視界と言って、見える範囲を意味するものです。「実視界7°」ということですね。
4) 実視界
双眼鏡・単眼鏡をのぞいたときにどのくらいの範囲が見えるかを角度で表したもの。実視界が広いほど目標物が探しやすくなり、倍率が高いほど実視界は狭くなります。※出典「双眼鏡・単眼鏡の基礎知識」https://ec1.kenko-web.jp/category/512.html(最終閲覧:2018年4月26日)
この数字も大きければ良いというわけではないようです。
6×30は、6倍・口径30mmという意味で、倍率よりも鮮明差を優先させた製品だと思われます。
Field7.5は、実視界7.5°という意味で、見掛けの視界角は7.5×6倍=45°で、標準50°に対し、若干狭めの視界ですが、広角になるほど視界周辺の像質がくずれやすいので、視界を欲張らない真面目な設計とも言えます。
出典「ヤフー知恵袋 2012/1/7の回答」https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1378875158?__ysp=ZmllbGQ3(最終閲覧:2018年4月26日)
「広角になるほど視界周辺の像質がくずれやすい」とのことなので、実視界は7°前後が妥当と考えておけば良さそうです。
結局、調べた限りでは、現在使用している双眼鏡の「8×21 実視界7°」という性能は、観劇に不都合のない標準的なものであると言えます。
それほど高価なものも買えませんし、価格面を考えて妥当なところでしょう。
より高性能の双眼鏡は?
私が使っているオペラグラスで唯一気になるところを挙げるとすれば、「明るさ」です。
同じような倍率・実視界で、より明るい双眼鏡となると、下記のものが挙げられます。
光明度は14.0625なので、先ほどの表を参照すると「薄暗い中物を見るのにも使える明るさ」です。
これで暗い場面でもより鮮明に舞台が見えますね。ワンランクアップという印象です。
ただし、多少重くなります。450gなので、約2倍の重さです。
重くて性能がやや優れたものか、軽くて性能がやや劣るほうか、という選択ですが、私は軽いほうで十分ですし、使っていて不満は特にありません。
歌舞伎座で買ったオペラグラス
歌舞伎座でもオペラグラスを買いました。2015年くらいのことで、値段は覚えていません。
性能のことは考えずに「歌舞伎座で売っているオペラグラスだから観劇に向いているのかな……」と、なんとなく思って買いました。
しかし、結局私には合わなくてほとんど使いませんでした。箱に入れっぱなしで保管しています。
合わなかった原因は性能云々より、単にサイズが小さかったからです。
買う時にもっとしっかり確認すればよかったのですが……。
私の手のサイズの場合、手に取った時に小指が浮く形になります。無理に小指を添えようとすると少し窮屈です。
また、目に当てる部分の直径も若干小さいので、構えた時にしっくりこなくて私には使いづらい印象がありました。
歌舞伎の観客は男性よりも女性のほうが多いから、女性の体のサイズに合ったものを販売しているのかな、と思って小柄な母に勧めてみたのですが、残念ながら母にも合わないようでした。
ちなみに、光明度は約6.61なので、普通です。
おわりに
観劇におすすめのオペラグラスとして、私が使っているものをご紹介しました。
また、双眼鏡の性能を比べるための様々な指標について解説いたしましたので、参考にしていただけたら幸いです。
最後までご覧くださりありがとうございました。