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古文のノートの作り方・取り方・書き方

古文のノートの作り方・取り方

投稿日:2018年5月24日 更新日:

古典に限らずノートの取り方を見なおせば学習の成果はあがります。予習の段階から勉強のしやすいノート作りを意識すれば、授業も効率よく利用できるし、復習もスムーズにおこなえるので、定期テスト直前に何をすればよいのかわからなくてあわててしまうことも防げます。今回は、古文の学習に効果的なノートの作り方を紹介します。ぜひ古典の勉強の参考にしてください。

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目次

古典はルーズリーフよりもノートがおすすめ

ルーズリーフでもかまわないのですが、紙をなくしてしまう危険もありますし、なにより見開きでページを大きく使いたいので、キャンパスノートのほうが便利です。

見やすいノートを作るポイントは、余白を大きめにとることです。

余白をのこしたほうが見やすく、あとでメモを書き足すこともできるのでおすすめです。

 
 

古文の予習

分からない所を明確に

分からない所を明確に

予習の目的は、わからないところを確認することです。どこがわからないのか、あらかじめ確認したうえで授業にのぞめば、わからないところを授業中にチェックするだけなので、先生の解説も有効に使うことができます。

それでは、予習の段階からノートの作り方をくわしく見ていきましょう。

 
 

①教科書の本文を書き写す

まずは、授業であつかう教科書の本文をノートに書き写します。これは、私の高校時代の先生の方針で、生徒は全員、テキストをノートに書き写さなくてはなりませんでした。

実際にやってみてわかったことですが、ノートに書き写すことで、古文独特の文章のリズムに親しむことができます。古文のリズムに慣れてくると、本文が頭に入りやすくなって、文法も覚えやすくなるため、非常に有効な勉強方法だと思います。

本文を書き写すときのポイントは、ボールペンを使うことです。マーカーでラインを引いても、にじまないようにするために、黒のボールペンでノートに写します。

私の印象では、ボールペンは0.4ミリのサラサクリップがにじみづらく、カスも出づらいのでよく使っていました。

 

ノートの上半分の2/3を使う

基本的に古文はタテ書きなので、ノートを横において、ページを上下に見開きで使えるようにします。

古文のノート:上側3分の2に本文を書く

古文のノート:上側3分の2に本文を書く

そして、ページのだいたい2/3のところに線を引いて、その線の上の部分に教科書の本文を書いていきます。

それぞれの文の間は、4行くらい間をあけて、じゅうぶんに余白をとりましょう。本文の間に品詞分解をして書きこんでいきます。

 
 

②品詞分解と現代語訳

書き写した本文のとなりに接続や活用、意味などを書きこんでいきます。

古文のノート:本文のとなりに品詞分解

古文のノート:本文のとなりに品詞分解

古文をむずかしいと感じる原因は接続と活用です。助動詞や動詞にどの活用形が接続するのか、それをきちんと確認するのが古文の学習のポイントです。

上の図を見るとわかるとおり、いろいろ書きこむと見づらくなるので、余白をじゅうぶんにとって見やすくすることが大切です。

品詞分解したら、できるかぎり自分の力で現代語訳してみましょう。

古文のノート:残り3分の1に現代語訳を書く

古文のノート:残り3分の1に現代語訳を書く

ページの残りの1/3を使って、現代語訳を本文の下に書きます。これはボールペンでなくて良いです。

予習の段階では「わからないところはどこか」をはっきりさせることが重要ですから、あまり悩みすぎないように注意しましょう。

時間に余裕がある場合は、先生の授業を待たずに、注釈書(ちゅうしゃくしょ)を見て文法事項や単語の意味を確認する方法もあります。

注釈書とは、文学全集のようなもので、作品や作者の背景、言葉の解説などがのっています。授業であつかう作品はほとんど収められています。

おもな注釈書は下記のとおりです。

新編日本古典文学全集(しんぺんにほんこてんぶんがくぜんしゅう)

現代語訳が全文ついているのが特徴です。

新日本古典文学大系(しんにほんこてんぶんがくたいけい)

八代集(はちだいしゅう)(古今和歌集から新古今和歌集までの8つの勅撰和歌集)の注釈書は新大系におさめられています。

新潮日本古典集成(しんちょうにほんこてんしゅうせい)

本文のすぐ横に解説と訳がついているのが特徴で、スピード感をもって読みたいときにちょうど良いです。

和歌文学大系(わかぶんがくたいけい)

ちょっとマイナーな和歌集の解説もついています。新大系本ではものたりないときはこちらを見てみましょう。

新釈漢文大系(しんしゃくかんぶんたいけい)

論語(ろんご)や史記(しき)、文選(もんぜん)、孫子(そんし)などの有名な中国の古典の解説はこちらで見られます。

以上、ちょっと話がそれてしまいましたが、わからない点があったら、先生の解説を待つだけでなく、このような本を見てみるのも良いと思います。公立の図書館ならだいたい置いてあるはずですよ。

 

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古文の授業

授業では、予習で自分がおこなった品詞分解や現代語訳があっているのか、先生の解説を聞いて確認します。まちがっていたところは直しておきましょう。

古文のノート:授業を聞いて修正していく

古文のノート:授業を聞いて修正していく

また、新しくならったことはノートの下のページに書いていきます。

古文のノート:下のページにまとめる

古文のノート:下のページにまとめる

この部分の書き方は使いやすいように自分なりに工夫してみてください。

たとえば、上下二段にわけて、上のほうに言葉の類義語や対義語をまとめてみたり、下のほうに文学史や背景となる日本史の知識をまとめてみたり、といったように、定期テストの直前にノートを確認したときにわかりやすいような工夫をしてみましょう。

自分なりのノートの取り方を考えるのが大切です。

また、授業を聞いても、予習の段階でうまれた疑問が解決しなければ、先生に質問しに行きましょう。まともな先生であればていねいに教えてくれるはずです。

 
 

古文の復習

予習と復習のどちらが重要かというと、それは復習のほうが大切です。

新しくならった知識を記憶に定着させるために、その日のうちにノートに目を通しておきましょう。その日のうちにもう一度思い出しておくと、新しい知識が記憶に残りやすくなります。

定期テスト前までほうったらかしにして、直前にまとめて確認するのは良くないです。定期テストは乗りきることができても、多くの場合、一夜漬けは記憶に残りづらいので、学習の効果はうすくなってしまうのです。

 

定期テスト前の古典の準備

古文のノート:定期テスト前に覚えるところ

古文のノート:定期テスト前に覚えるところ

テスト前はノートを使って、授業であつかった本文と、文法知識をすべて暗記しましょう。暗記するときのポイントは音読です。

さきほども言いましたが、古文のリズムに親しむことが重要です。古文を何度も音読して自分の耳で聞いて覚えることで、文法知識なども音で理解することができます。なれてくれば、いちいち活用形を思い出さなくても自然に接続がわかるようになってきます。

覚えるときには、さまざまな刺激を脳に与えることが大切です。自分の口を動かして、自分の声を耳で聞くことによって、脳が刺激されて頭に入りやすくなります。ときには手を動かして書いてみるのも効果的です。

音読する習慣がない方は、ためしに一日10回を、3日にわけて音読してみてください。私の目安では、30回音読すれば、本文を覚えられます。それでも覚えられない場合は回数を増やしましょう。

 
 

後で見返すためにノートを作る

ノートを作るのは、あとで復習するためです。

他人が見てわかりやすいようなノートを作る必要はありませんが、自分が見返したときに何が書いてあるのかよくわからないノートでは、作る意味がありません。

あとで勉強するときに自分が得をするようなノートを目ざして作ってみましょう。

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執筆者:

古文・古典文法の解説

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