くずし字・変体仮名

古文書を読みたい方におすすめ!初心者のためのくずし字 入門 講座

古文書を読みたい方におすすめ!初心者のためのくずし字入門講座

投稿日:2018年7月3日 更新日:

こちらは古文書に興味を持っている方に向けて、学習の方法を紹介するページでございます。近年、昔の文字を読みたい、崩し字を読めるようになりたい、と考える方は増えてきましたが、学習環境の整備がなかなか進まないのが課題です。そこで、ネット環境があればだれでも勉強を始められるようにするため、当サイトではくずし字学習のテキストを公開中です。もちろんだれでも無料でご利用できるので、気軽にご覧くだされば幸いです。

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目次

学習方針

古文書を読むにはくずし字の知識が必要となります。くずし字とは、文字通り「字の形をくずして書いた文字」のことです。

昔の文献(古文書・古典籍)の多くはくずし字で書かれており、なおかつ活字化されていないものがたくさんあるので、それらの本を読むにはくずし字を読めるようにしなければなりません。

くずし字の勉強の手順としては、まずはひらがなを読めるようにするのが第一段階です。ひらがながある程度読めるようになってから、漢字のくずし字の勉強を徐々に始めるのが良いと思います。
 

変体仮名

一般的に、ひらがなのくずし字を変体仮名と言います。ひらがなは、漢字から音を借りて、さらに漢字の形をくずして成立したものです。たとえば、「あ」という音を表記するときに、「安」「阿」「愛」「悪」などの漢字を利用しました。さらにそれらの字の形をくずして、それぞれの漢字をもとにしたひらがなが生まれました。

くずし字:変体仮名の例「あ」

くずし字:変体仮名の例「あ」

ひらがなには現在、我々が普段使っているもののほかに、たくさんの種類があったのです。現在のように、ひとつの音に対してひとつのひらがなが決まったのは、明治33年(1900年)、「小学校令」が制定されてからです。

こちらの変体仮名の一覧をご覧になると、種類の多さを実感していただけると思いますが、覚えるのはそれほど難しくありませんので大丈夫です。

>> 【ひらがな】くずし字一覧
 
くずし字を、普段使っている字の形(「通行の字体」と言う)に改めることを翻刻(ほんこく)と言います。くずし字が読めるということは、すなわち、翻刻ができるということです。初心者の方は、最初の目標として、「変体仮名を翻刻できるようにする」ことを目指すのが良いと思います。
 

変体仮名を覚えるポイント

変体仮名を覚えるコツは、かなのもとになった漢字も一緒に確認することです。ひらがなのもとになった漢字のことを、字母(じぼ)と言いますが、これを確認していくとくずし字が覚えやすくなります。たとえば、「王」をもとにした変体仮名の「わ」があります。「王」という漢字は現在の中国語でも「wang」と発音します。「wang」の後ろの音が取れて、「wa」になったのです。元プロ野球選手・監督の王貞治氏が、愛称として「わんちゃん」と呼ばれるので、なじみのある漢字ではないでしょうか。

変体仮名の「わ」字母は「王」

変体仮名の「わ」字母は「王」

 

変体仮名の入門講座

変体仮名の入門編として、江戸時代に刊行された百人一首の本を利用しましょう。和歌を覚えている、あるいは内容がわかる百人一首であれば、くずし字そのものの学習に集中できるはずです。

百人一首はすべて品詞分解して、言葉の意味や、助詞・助動詞などの文法事項の解説もつけました。さらに、翻刻だけではなく、字母も公開して、学習が進めやすいように工夫しました。

こちらは現代語訳一覧のページですが、このページからそれぞれの歌の解説ページに移動できます。目次としてご利用ください。

↓ ↓ ↓ ↓

 
※間違っている箇所がありましたら、こちらのページのコメント欄に投稿していただけると幸いでございます。
 

おすすめの辞典や参考書は?

代表的な変体仮名一覧は当サイトで公開していますが、手元に紙の参考書があると便利かと存じますので、2冊ご紹介します。
 

字典かな

こちらは変体仮名を網羅した字典です。私の母校の国文学専攻の学生は、だいたいみんな持っています。もちろん私も持っています。実際の文献に見られる字の形を掲載しているので参考になります。

 

くずし字解読辞典

漢字のくずし字を確認するならこちらが便利です。特徴は、字の読みだけでなく、形からも検索できることです。あらゆる漢字のくずし方を網羅しているので、非常に役に立ちます。

 

古典文法の復習はこちらから

読者の方の中には、古典文法なんて忘れてしまった、という方もいらっしゃるかもしれませんので、古典文法の解説ページもあわせてご紹介します。こちらから、動詞・形容詞・形容動詞・助詞・助動詞、それぞれの解説ページに移動することが可能です。学習の参考にぜひご利用ください。

↓ ↓ ↓ ↓

古典文法の基本

>> 古典文法の勉強法(基礎編)わかりやすい覚え方で用言の活用形から学ぶ
 

動詞の解説

>> 古文の動詞の活用と覚え方 – 見分け方のコツは種類の少ないものを暗記すること
 

形容詞の解説

>> 古文の形容詞の活用の一覧と覚え方(ク活用・シク活用・補助活用)
 

形容動詞の解説

>> 古文の形容動詞の活用の基本 – ナリ活用・タリ活用の覚え方
 

助詞の解説

>> 古文の助詞の覚え方 – まずは種類の確認から
 

助動詞の解説

>> 古文・古典の助動詞をわかりやすく解説!活用表(一覧)・意味・接続・勉強法・覚え方をまとめて紹介。
 

敬語の解説

>> 古文の敬語の覚え方 – 一覧で種類や対象を確認するのが見分け方の基本
 

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