百人一首

百人一首一覧表:歌番号順・あいうえお順・五十音順の一覧(ひらがな付き)

百人一首一覧表:歌番号順・あいうえお順・五十音順の一覧(ひらがな付き)

投稿日:2018年4月20日 更新日:

小倉百人一首をあいうえお順と歌番号順の両方で一覧表示しました。すべてひらがな表記です。このページから各歌の解説ページに移動することが可能です。この百人一首一覧は現代仮名遣いのふりがな付きなので、有名な和歌から人気の歌まで、小学生のお子様も簡単に読み方をご確認いただけます。

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百人一首一覧(歌番号順・あいうえお順・五十音順)

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歌番号順一覧

番号 和歌 作者
序歌 難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花
なには(わ)づに さくやこのはな ふゆごもり いまははるべと さくやこのはな
王仁
わに
001 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
あきのたの かりほのいほ(お)の とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
天智天皇
てんじてんのう
002 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
はるすぎて なつきにけらし しろたへ(え)の ころもほすてふ(ちょう) あまのかぐやま
持統天皇
じとうてんのう
003 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
あしびきの やまどりのを(お)の しだりを(お)の ながながしよを ひとりかもねむ(ん)
柿本人麻呂
かきのもとのひとまろ
004 田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたへ(え)の ふじのたかねに ゆきはふりつつ
山辺赤人
やまべのあかひと
005 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき
おくやまに もみぢ(じ)ふみわけ なくしかの こゑ(え)きくときぞ あきはかなしき
猿丸大夫
さるまるだゆう
006 かささぎの わたせる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける
かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
大伴家持
おおとものやかもち
007 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
阿部仲麿
あべのなかまろ
008 わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世を宇治山と 人は言ふなり
わがいほ(お)は みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢ(じ)やまと ひとはいふ(う)なり
喜撰法師
きせんほうし
009 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
はなのいろは うつりにけりな いたづ(ず)らに わがみよにふる ながめせしまに
小野小町
おののこまち
010 これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも 逢坂の関
これやこの ゆくもかへ(え)るも わかれては しるもしらぬも あふ(おう)さかのせき
蝉丸
せみまる
011 わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
参議篁
さんぎたかむら
012 天つ風 雲の通ひ路 ふきとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよひ(い)ぢ(じ) ふきとぢ(じ)よ を(お)とめのすがた しばしとどめむ(ん)
僧正遍昭
そうじょうへんじょう
013 つくばねの みねよりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがは(わ) こひ(い)ぞつもりて ふちとなりぬる
陽成院
ようぜいいん
014 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし われならなくに
みちのくの しのぶもぢ(じ)ずり たれゆゑ(え)に みだれそめにし われならなくに
河原左大臣
かわらのさだいじん
015 君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
光孝天皇
こうこうてんのう
016 立ちわかれ いなばの山の みねに生ふる まつとし聞かば いま帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおふ(う)る まつとしきかば いまかへ(え)りこむ(ん)
中納言行平
ちゅうなごんゆきひら
017 ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは(わ) からくれなゐ(い)に みづ(ず)くくるとは
在原業平朝臣
ありわらのなりひらあそん
018 住江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさへ(え)や ゆめのかよひ(い)ぢ(じ) ひとめよくらむ(ん)
藤原敏行朝臣
ふじわらのとしゆきあそん
019 難波潟 みじかき葦の ふしの間も あはでこの世を すぐしてよとや
なには(わ)がた みじかきあしの ふしのまも あは(わ)でこのよを すぐしてよとや
伊勢
いせ
020 わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なには(わ)なる みをつくしても あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
元良親王
もとよししんのう
021 いま来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな
いまこむ(ん)と いひ(い)しばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
素性法師
そせいほうし
022 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しを(お)るれば むべやまかぜを あらしといふ(う)らむ(ん)
文屋康秀
ふんやのやすひで
023 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
大江千里
おおえのちさと
024 このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに
このたびは ぬさもとりあへ(え)ず たむけやま もみぢ(じ)のにしき かみのまにまに
菅家
かんけ
025 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
なにしおは(わ)ば あふ(おう)さかやまの さねかづ(ず)ら ひとにしられで くるよしもがな
三条右大臣
さんじょうのうだいじん
026 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ
を(お)ぐらやま みねのもみぢ(じ)ば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ(ん)
貞信公
ていしんこう
027 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いづ(ず)みがは(わ) いつみきとてか こひ(い)しかるらむ(ん)
中納言兼輔
ちゅうなごんかねすけ
028 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへ(え)ば
源宗于朝臣
みなもとのむねゆきあそん
029 心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
こころあてに を(お)らばやを(お)らむ(ん) はつしもの おきまどは(わ)せる しらぎくのはな
凡河内躬恒
おおしこうちのみつね
030 有明の つれなく見えし わかれより 暁ばかり うきものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
壬生忠岑
みぶのただみね
031 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
坂上是則
さかのうえのこれのり
032 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり
やまがは(わ)に かぜのかけたる しがらみは ながれもあへ(え)ぬ もみぢ(じ)なりけり
春道列樹
はるみちのつらき
033 ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづ(ず)ごころなく はなのちるらむ(ん)
紀友則
きのとものり
034 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
たれをかも しるひとにせむ(ん) たかさごの まつもむかしの ともならなくに
藤原興風
ふじわらのおきかぜ
035 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほ(お)ひ(い)ける
紀貫之
きのつらゆき
036 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
なつのよは まだよひ(い)ながら あけぬるを くものいづ(ず)こに つきやどるらむ(ん)
清原深養父
きよはらのふかやぶ
037 白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
文屋朝康
ふんやのあさやす
038 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
わすらるる みをばおもは(わ)ず ちかひ(い)てし ひとのいのちの を(お)しくもあるかな
右近
うこん
039 浅茅生の をののしの原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
あさぢふ(う)の を(お)ののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひ(い)しき
参議等
さんぎひとし
040 しのぶれど 色にいでにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
しのぶれど いろにいでにけり わがこひ(い)は ものやおもふ(う)と ひとのとふ(う)まで
平兼盛
たいらのかねもり
041 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか
こひ(い)すてふ(ちょう) わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひ(い)そめしか
壬生忠見
みぶのただみ
042 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑ(え)のまつやま なみこさじとは
清原元輔
きよはらのもとすけ
043 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
あひ(い)みての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもは(わ)ざりけり
権中納言敦忠
ごんちゅうなごんあつただ
044 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも うらみざらまし
あふ(おう)ことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
中納言朝忠
ちゅうなごんあさただ
045 あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
あは(わ)れとも いふ(う)べきひとは おもほ(お)えで みのいたづ(ず)らに なりぬべきかな
謙徳公
けんとくこう
046 由良のとを わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
ゆらのとを わたるふなびと かぢ(じ)をたえ ゆくへ(え)もしらぬ こひ(い)のみちかな
曽祢好忠
そねのよしただ
047 八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
やへ(え)むぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
恵慶法師
えぎょうほうし
048 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
かぜをいたみ いは(わ)うつなみの おのれのみ くだけてものを おもふ(う)ころかな
源重之
みなもとのしげゆき
049 みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
みかきもり ゑ(え)じのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ(え)
大中臣能宣朝臣
おおなかとみのよしのぶあそん
050 君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな
きみがため を(お)しからざりし いのちさへ(え) ながくもがなと おもひ(い)けるかな
藤原義孝
ふじわらのよしたか
051 かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
かくとだに えやは(わ)いぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひ(い)を
藤原実方朝臣
ふじわらのさねかたあそん
052 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なほ(お)うらめしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
ふじわらのみちのぶあそん
053 なげきつつ ひとりぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかは(わ)しる
右大将道綱母
うだいしょうみちつなのはは
054 わすれじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな
わすれじの ゆくすゑ(え)までは かたければ けふ(きょう)をかぎりの いのちともがな
儀同三司母
ぎどうさんしのはは
055 滝の音は 絶えてひさしく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほ(お)きこえけれ
大納言公任
だいなごんきんとう
056 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな
あらざらむ(ん) このよのほかの おもひ(い)でに いまひとたびの あふ(おう)こともがな
和泉式部
いずみしきぶ
057 めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
めぐりあひ(い)て みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よは(わ)のつきかな
紫式部
むらさきしきぶ
058 有馬山 猪名の笹原 風ふけば いでそよ人を 忘れやはする
ありまやま ゐ(い)なのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやは(わ)する
大弐三位
だいにのさんみ
059 やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月をみしかな
やすらは(わ)で ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
赤染衛門
あかぞめえもん
060 大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立
おほ(お)えやま いくののみちの とほ(お)ければ まだふみもみず あまのはしだて
小式部内侍
こしきぶのないし
061 いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひぬるかな
いにしへ(え)の ならのみやこの やへ(え)ざくら けふ(きょう)ここのへ(え)に にほ(お)ひ(い)ぬるかな
伊勢大輔
いせのたいふ
062 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふ(おう)さかの せきはゆるさじ
清少納言
せいしょうなごん
063 いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
いまはただ おもひ(い)たえなむ(ん) とばかりを ひとづてならで いふ(う)よしもがな
左京大夫道雅
さきょうのだいぶみちまさ
064 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
あさぼらけ うぢ(じ)のかは(わ)ぎり たえだえに あらは(わ)れわたる せぜのあじろぎ
権中納言定頼
ごんちゅうなごんさだより
065 うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひ(い)にくちなむ(ん) なこそを(お)しけれ
相模
さがみ
066 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに しる人もなし
もろともに あは(わ)れとおもへ(え) やまざくら はなよりほかに しるひともなし
前大僧正行尊
さきのだいそうじょうぎょうそん
067 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひ(い)なくたたむ(ん) なこそを(お)しけれ
周防内侍
すおうのないし
068 こころにも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
こころにも あらでうきよに ながらへ(え)ば こひ(い)しかるべき よは(わ)のつきかな
三条院
さんじょういん
069 あらしふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり
あらしふく みむろのやまの もみぢ(じ)ばは たつたのかは(わ)の にしきなりけり
能因法師
のういんほうし
070 さびしさに 宿を立ちいでて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕暮れ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづ(ず)こもおなじ あきのゆふ(う)ぐれ
良暹法師
りょうぜんほうし
071 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく
ゆふ(う)されば かどたのいなば おとづ(ず)れて あしのまろやに あきかぜぞふく
大納言経信
だいなごんつねのぶ
072 音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
ゆうしないしんのうけのきい
073 高砂の 尾の上の桜 さきにけり 外山の霞 たたずもあらなむ
たかさごの を(お)のへ(え)のさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ(ん)
権中納言匡房
ごんちゅうなごんまさふさ
074 うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは いのらぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを
源俊頼朝臣
みなもとのとしよりあそん
075 ちぎりおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あは(わ)れことしの あきもいぬめり
藤原基俊
ふじわらのもととし
076 わたの原 漕ぎいでて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐ(い)にまがふ(ごう) おきつしらなみ
法性寺入道前関白太政大臣
ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん
077 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
せを(お)はやみ いは(わ)にせかるる たきがは(わ)の われてもすゑ(え)に あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
崇徳院
すとくいん
078 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守
あは(わ)ぢ(じ)しま かよふ(う)ちどりの なくこゑ(え)に いくよねざめぬ すまのせきもり
源兼昌
みなもとのかねまさ
079 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ
あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
左京大夫顕輔
さきょうのだいぶあきすけ
080 ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
ながからむ(ん) こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ(え)
待賢門院堀河
たいけんもんいんのほりかわ
081 ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞのこれる
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
後徳大寺左大臣
ごとくだいじのさだいじん
082 思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり
おもひ(い)わび さてもいのちは あるものを うきにたへ(え)ぬは なみだなりけり
道因法師
どういんほうし
083 よのなかよ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
よのなかよ みちこそなけれ おもひ(い)いる やまのおくにも しかぞなくなる
皇太后宮大夫俊成
こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい
084 ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
ながらへ(え)ば またこのごろや しのばれむ(ん) うしとみしよぞ いまはこひ(い)しき
藤原清輔朝臣
ふじわらのきよすけあそん
085 夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
よもすがら ものおもふ(う)ころは あけやらで ねやのひまさへ(え) つれなかりけり
俊恵法師
しゅんえほうし
086 なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
なげけとて つきやは(わ)ものを おもは(わ)する かこちがほ(お)なる わがなみだかな
西行法師
さいぎょうほうし
087 村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮れ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふ(う)ぐれ
寂蓮法師
じゃくれんほうし
088 難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
なには(わ)えの あしのかりねの ひとよゆゑ(え) みをつくしてや こひ(い)わたるべき
皇嘉門院別当
こうかもんいんのべっとう
089 玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らへば しのぶることの 弱りもぞする
たまのを(お)よ たえなばたえね ながらへ(え)ば しのぶることの よわりもぞする
式子内親王
しょくしないしんのう
090 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず
みせばやな を(お)じまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかは(わ)らず
殷富門院大輔
いんぷもんいんのたいふ
091 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに ころもかたしき ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ(ん)
後京極摂政前太政大臣
ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん
092 わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし
わがそでは しほ(お)ひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
二条院讃岐
にじょういんのさぬき
093 世の中は つねにもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのを(お)ぶねの つなでかなしも
鎌倉右大臣
かまくらのうだいじん
094 み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさとさむく 衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
参議雅経
さんぎまさつね
095 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に すみぞめのそで
おほ(お)けなく うきよのたみに おほ(お)ふ(う)かな わがたつそまに すみぞめのそで
前大僧正慈円
さきのだいそうじょうじえん
096 花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
はなさそふ(う) あらしのには(わ)の ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
入道前太政大臣
にゅうどうさきのだいじょうだいじん
097 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆふ(う)なぎに やくやもしほ(お)の みもこがれつつ
権中納言定家
ごんちゅうなごんていか
098 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
かぜそよぐ ならのを(お)がは(わ)の ゆふ(う)ぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
従二位家隆
じゅにいいえたか
099 人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は
ひともを(お)し ひともうらめし あぢ(じ)きなく よをおもふ(う)ゆゑ(え)に ものおもふ(う)みは
後鳥羽院
ごとばいん
100 百敷や ふるき軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほ(お)あまりある むかしなりけり
順徳院
じゅんとくいん

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五十音順(あいうえお順)一覧

番号 和歌 作者
079 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ
あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
左京大夫顕輔
さきょうのだいぶあきすけ
001 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
あきのたの かりほのいほ(お)の とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
天智天皇
てんじてんのう
052 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なほ(お)うらめしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
ふじわらのみちのぶあそん
039 浅茅生の をののしの原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
あさぢふ(う)の を(お)ののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひ(い)しき
参議等
さんぎひとし
031 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
坂上是則
さかのうえのこれのり
064 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
あさぼらけ うぢ(じ)のかは(わ)ぎり たえだえに あらは(わ)れわたる せぜのあじろぎ
権中納言定頼
ごんちゅうなごんさだより
003 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
あしびきの やまどりのを(お)の しだりを(お)の ながながしよを ひとりかもねむ(ん)
柿本人麻呂
かきのもとのひとまろ
078 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守
あは(わ)ぢ(じ)しま かよふ(う)ちどりの なくこゑ(え)に いくよねざめぬ すまのせきもり
源兼昌
みなもとのかねまさ
045 あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
あは(わ)れとも いふ(う)べきひとは おもほ(お)えで みのいたづ(ず)らに なりぬべきかな
謙徳公
けんとくこう
043 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
あひ(い)みての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもは(わ)ざりけり
権中納言敦忠
ごんちゅうなごんあつただ
044 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも うらみざらまし
あふ(おう)ことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
中納言朝忠
ちゅうなごんあさただ
012 天つ風 雲の通ひ路 ふきとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよひ(い)ぢ(じ) ふきとぢ(じ)よ を(お)とめのすがた しばしとどめむ(ん)
僧正遍昭
そうじょうへんじょう
007 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
阿部仲麿
あべのなかまろ
056 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな
あらざらむ(ん) このよのほかの おもひ(い)でに いまひとたびの あふ(おう)こともがな
和泉式部
いずみしきぶ
069 あらしふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり
あらしふく みむろのやまの もみぢ(じ)ばは たつたのかは(わ)の にしきなりけり
能因法師
のういんほうし
030 有明の つれなく見えし わかれより 暁ばかり うきものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
壬生忠岑
みぶのただみね
058 有馬山 猪名の笹原 風ふけば いでそよ人を 忘れやはする
ありまやま ゐ(い)なのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやは(わ)する
大弐三位
だいにのさんみ
061 いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひぬるかな
いにしへ(え)の ならのみやこの やへ(え)ざくら けふ(きょう)ここのへ(え)に にほ(お)ひ(い)ぬるかな
伊勢大輔
いせのたいふ
021 いま来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな
いまこむ(ん)と いひ(い)しばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
素性法師
そせいほうし
063 いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
いまはただ おもひ(い)たえなむ(ん) とばかりを ひとづてならで いふ(う)よしもがな
左京大夫道雅
さきょうのだいぶみちまさ
074 うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは いのらぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを
源俊頼朝臣
みなもとのとしよりあそん
065 うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひ(い)にくちなむ(ん) なこそを(お)しけれ
相模
さがみ
005 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき
おくやまに もみぢ(じ)ふみわけ なくしかの こゑ(え)きくときぞ あきはかなしき
猿丸大夫
さるまるだゆう
072 音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
ゆうしないしんのうけのきい
060 大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立
おほ(お)えやま いくののみちの とほ(お)ければ まだふみもみず あまのはしだて
小式部内侍
こしきぶのないし
095 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に すみぞめのそで
おほ(お)けなく うきよのたみに おほ(お)ふ(う)かな わがたつそまに すみぞめのそで
前大僧正慈円
さきのだいそうじょうじえん
082 思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり
おもひ(い)わび さてもいのちは あるものを うきにたへ(え)ぬは なみだなりけり
道因法師
どういんほうし
051 かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
かくとだに えやは(わ)いぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひ(い)を
藤原実方朝臣
ふじわらのさねかたあそん
006 かささぎの わたせる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける
かささぎの わたせるはし におくしもの しろきをみれば よぞふけにける
大伴家持
おおとものやかもち
098 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
かぜそよぐ ならのを(お)がは(わ)の ゆふ(う)ぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
従二位家隆
じゅにいいえたか
048 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
かぜをいたみ いは(わ)うつなみの おのれのみ くだけてものを おもふ(う)ころかな
源重之
みなもとのしげゆき
015 君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
光孝天皇
こうこうてんのう
050 君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな
きみがため を(お)しからざりし いのちさへ(え) ながくもがなと おもひ(い)けるかな
藤原義孝
ふじわらのよしたか
091 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに ころもかたしき ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ(ん)
後京極摂政前太政大臣
ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん
029 心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
こころあてに を(お)らばやを(お)らむ(ん) はつしもの おきまどは(わ)せる しらぎくのはな
凡河内躬恒
おおしこうちのみつね
068 こころにも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
こころにも あらでうきよに ながらへ(え)ば こひ(い)しかるべき よは(わ)のつきかな
三条院
さんじょういん
097 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆふ(う)なぎに やくやもしほ(お)の みもこがれつつ
権中納言定家
ごんちゅうなごんていか
024 このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに
このたびは ぬさもとりあへ(え)ず たむけやま もみぢ(じ)のにしき かみのまにまに
菅家
かんけ
041 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか
こひ(い)すてふ(ちょう) わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひ(い)そめしか
壬生忠見
みぶのただみ
010 これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも 逢坂の関
これやこの ゆくもかへ(え)るも わかれては しるもしらぬも あふ(おう)さかのせき
蝉丸
せみまる
070 さびしさに 宿を立ちいでて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕暮れ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづ(ず)こもおなじ あきのゆふ(う)ぐれ
良暹法師
りょうぜんほうし
040 しのぶれど 色にいでにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
しのぶれど いろにいでにけり わがこひ(い)は ものやおもふ(う)と ひとのとふ(う)まで
平兼盛
たいらのかねもり
037 白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
文屋朝康
ふんやのあさやす
018 住江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさへ(え)や ゆめのかよひ(い)ぢ(じ) ひとめよくらむ(ん)
藤原敏行朝臣
ふじわらのとしゆきあそん
077 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
せを(お)はやみ いは(わ)にせかるる たきがは(わ)の われてもすゑ(え)に あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
崇徳院
すとくいん
073 高砂の 尾の上の桜 さきにけり 外山の霞 たたずもあらなむ
たかさごの を(お)のへ(え)のさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ(ん)
権中納言匡房
ごんちゅうなごんまさふさ
055 滝の音は 絶えてひさしく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほ(お)きこえけれ
大納言公任
だいなごんきんとう
004 田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたへ(え)の ふじのたかねに ゆきはふりつつ
山辺赤人
やまべのあかひと
016 立ちわかれ いなばの山の みねに生ふる まつとし聞かば いま帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおふ(う)る まつとしきかば いまかへ(え)りこむ(ん)
中納言行平
ちゅうなごんゆきひら
089 玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らへば しのぶることの 弱りもぞする
たまのを(お)よ たえなばたえね ながらへ(え)ば しのぶることの よわりもぞする
式子内親王
しょくしないしんのう
034 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
たれをかも しるひとにせむ(ん) たかさごの まつもむかしの ともならなくに
藤原興風
ふじわらのおきかぜ
075 ちぎりおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あは(わ)れことしの あきもいぬめり
藤原基俊
ふじわらのもととし
042 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑ(え)のまつやま なみこさじとは
清原元輔
きよはらのもとすけ
017 ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは(わ) からくれなゐ(い)に みづ(ず)くくるとは
在原業平朝臣
ありわらのなりひらあそん
023 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
大江千里
おおえのちさと
013 つくばねの みねよりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがは(わ) こひ(い)ぞつもりて ふちとなりぬる
陽成院
ようぜいいん
080 ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
ながからむ(ん) こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ(え)
待賢門院堀河
たいけんもんいんのほりかわ
084 ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
ながらへ(え)ば またこのごろや しのばれむ(ん) うしとみしよぞ いまはこひ(い)しき
藤原清輔朝臣
ふじわらのきよすけあそん
053 なげきつつ ひとりぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかは(わ)しる
右大将道綱母
うだいしょうみちつなのはは
086 なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
なげけとて つきやは(わ)ものを おもは(わ)する かこちがほ(お)なる わがなみだかな
西行法師
さいぎょうほうし
036 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
なつのよは まだよひ(い)ながら あけぬるを くものいづ(ず)こに つきやどるらむ(ん)
清原深養父
きよはらのふかやぶ
025 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
なにしおは(わ)ば あふ(おう)さかやまの さねかづ(ず)ら ひとにしられで くるよしもがな
三条右大臣
さんじょうのうだいじん
088 難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
なには(わ)えの あしのかりねの ひとよゆゑ(え) みをつくしてや こひ(い)わたるべき
皇嘉門院別当
こうかもんいんのべっとう
019 難波潟 みじかき葦の ふしの間も あはでこの世を すぐしてよとや
なには(わ)がた みじかきあしの ふしのまも あは(わ)でこのよを すぐしてよとや
伊勢
いせ
096 花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
はなさそふ(う) あらしのには(わ)の ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
入道前太政大臣
にゅうどうさきのだいじょうだいじん
009 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
はなのいろは うつりにけりな いたづ(ず)らに わがみよにふる ながめせしまに
小野小町
おののこまち
002 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
はるすぎて なつきにけらし しろたへ(え)の ころもほすてふ(ちょう) あまのかぐやま
持統天皇
じとうてんのう
067 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひ(い)なくたたむ(ん) なこそを(お)しけれ
周防内侍
すおうのないし
033 ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづ(ず)ごころなく はなのちるらむ(ん)
紀友則
きのとものり
035 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほ(お)ひ(い)ける
紀貫之
きのつらゆき
099 人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は
ひともを(お)し ひともうらめし あぢ(じ)きなく よをおもふ(う)ゆゑ(え)に ものおもふ(う)みは
後鳥羽院
ごとばいん
022 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しを(お)るれば むべやまかぜを あらしといふ(う)らむ(ん)
文屋康秀
ふんやのやすひで
081 ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞのこれる
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
後徳大寺左大臣
ごとくだいじのさだいじん
049 みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
みかきもり ゑ(え)じのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ(え)
大中臣能宣朝臣
おおなかとみのよしのぶあそん
027 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いづ(ず)みがは(わ) いつみきとてか こひ(い)しかるらむ(ん)
中納言兼輔
ちゅうなごんかねすけ
090 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず
みせばやな を(お)じまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかは(わ)らず
殷富門院大輔
いんぷもんいんのたいふ
014 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし われならなくに
みちのくの しのぶもぢ(じ)ずり たれゆゑ(え)に みだれそめにし われならなくに
河原左大臣
かわらのさだいじん
094 み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさとさむく 衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
参議雅経
さんぎまさつね
087 村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮れ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふ(う)ぐれ
寂蓮法師
じゃくれんほうし
057 めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
めぐりあひ(い)て みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よは(わ)のつきかな
紫式部
むらさきしきぶ
100 百敷や ふるき軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほ(お)あまりある むかしなりけり
順徳院
じゅんとくいん
066 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに しる人もなし
もろともに あは(わ)れとおもへ(え) やまざくら はなよりほかに しるひともなし
前大僧正行尊
さきのだいそうじょうぎょうそん
059 やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月をみしかな
やすらは(わ)で ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
赤染衛門
あかぞめえもん
047 八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
やへ(え)むぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
恵慶法師
えぎょうほうし
032 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり
やまがは(わ)に かぜのかけたる しがらみは ながれもあへ(え)ぬ もみぢ(じ)なりけり
春道列樹
はるみちのつらき
028 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへ(え)ば
源宗于朝臣
みなもとのむねゆきあそん
071 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく
ゆふ(う)されば かどたのいなば おとづ(ず)れて あしのまろやに あきかぜぞふく
大納言経信
だいなごんつねのぶ
046 由良のとを わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
ゆらのとを わたるふなびと かぢ(じ)をたえ ゆくへ(え)もしらぬ こひ(い)のみちかな
曽祢好忠
そねのよしただ
093 世の中は つねにもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのを(お)ぶねの つなでかなしも
鎌倉右大臣
かまくらのうだいじん
083 よのなかよ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
よのなかよ みちこそなけれ おもひ(い)いる やまのおくにも しかぞなくなる
皇太后宮大夫俊成
こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい
085 夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
よもすがら ものおもふ(う)ころは あけやらで ねやのひまさへ(え) つれなかりけり
俊恵法師
しゅんえほうし
062 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふ(おう)さかの せきはゆるさじ
清少納言
せいしょうなごん
008 わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世を宇治山と 人は言ふなり
わがいほ(お)は みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢ(じ)やまと ひとはいふ(う)なり
喜撰法師
きせんほうし
092 わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし
わがそでは しほ(お)ひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
二条院讃岐
にじょういんのさぬき
038 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
わすらるる みをばおもは(わ)ず ちかひ(い)てし ひとのいのちの を(お)しくもあるかな
右近
うこん
054 わすれじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな
わすれじの ゆくすゑ(え)までは かたければ けふ(きょう)をかぎりの いのちともがな
儀同三司母
ぎどうさんしのはは
076 わたの原 漕ぎいでて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐ(い)にまがふ(ごう) おきつしらなみ
法性寺入道前関白太政大臣
ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん
011 わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
参議篁
さんぎたかむら
020 わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なには(わ)なる みをつくしても あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
元良親王
もとよししんのう
026 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ
を(お)ぐらやま みねのもみぢ(じ)ば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ(ん)
貞信公
ていしんこう
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あきぜに ぎりす はるぎて
あきたの こころてに はるよの
ぬれば こころ かたの
あさふの ひとを ひといさ
あさぼらけ たびは ひとをし
あさぼらけ すてふ くからに
ひきの やこの ととぎす
あはしま びしさに みかもり
あはとも ぶれど みかはら
みての つゆに ばやな
あふとの みのえの のくの
あまかぜ をはやみ しのの
あまはら さごの らさめの
あららむ のおとは ぐりあひて
あらふく のうらに しきや
ありけの わかれ ともに
ありやま のをよ らはで
しへの をかも むぐら
いまむと ちぎりきし やまはに
いまただ ちぎり やまとは
りける やぶる されば
みわび みれば のとを
やまに ばねの よのなか
にきく ながらむ よのなか
おほやま ながへば すがら
おほなく なげつつ こめて
ひわび なげとて わがほは
とだに のよは わがでは
さぎの なにおはば わするる
かぜよぐ なには わすじの
かぜいたみ なには わたのはら
きみがため はなそふ わたのはら
きみがため はないろは ぬれば
らやま

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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
お菓子メーカー勤務のサラリーマン
趣味は歌舞伎を見ること(2012年~)
古文や古典を楽しむ人が一人でも増えればよいなと考えながら情報発信しております。


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