百人一首

百人一首一覧表:歌番号順・あいうえお順・五十音順の一覧(ひらがな付き)

百人一首一覧表:歌番号順・あいうえお順・五十音順の一覧(ひらがな付き)

投稿日:2018年4月20日 更新日:

小倉百人一首をあいうえお順と歌番号順の両方で一覧表示しました。すべてひらがな表記です。このページから各歌の解説ページに移動することが可能です。この百人一首一覧は現代仮名遣いのふりがな付きなので、有名な和歌から人気の歌まで、小学生のお子様も簡単に読み方をご確認いただけます。

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百人一首一覧(歌番号順・あいうえお順・五十音順)

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歌番号順一覧

番号和歌作者
序歌難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花
なには(わ)づに さくやこのはな ふゆごもり いまははるべと さくやこのはな
王仁
わに
001秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
あきのたの かりほのいほ(お)の とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
天智天皇
てんじてんのう
002春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
はるすぎて なつきにけらし しろたへ(え)の ころもほすてふ(ちょう) あまのかぐやま
持統天皇
じとうてんのう
003あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
あしびきの やまどりのを(お)の しだりを(お)の ながながしよを ひとりかもねむ(ん)
柿本人麻呂
かきのもとのひとまろ
004田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたへ(え)の ふじのたかねに ゆきはふりつつ
山辺赤人
やまべのあかひと
005奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき
おくやまに もみぢ(じ)ふみわけ なくしかの こゑ(え)きくときぞ あきはかなしき
猿丸大夫
さるまるだゆう
006かささぎの わたせる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける
かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
大伴家持
おおとものやかもち
007天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
阿部仲麿
あべのなかまろ
008わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世を宇治山と 人は言ふなり
わがいほ(お)は みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢ(じ)やまと ひとはいふ(う)なり
喜撰法師
きせんほうし
009花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
はなのいろは うつりにけりな いたづ(ず)らに わがみよにふる ながめせしまに
小野小町
おののこまち
010これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも 逢坂の関
これやこの ゆくもかへ(え)るも わかれては しるもしらぬも あふ(おう)さかのせき
蝉丸
せみまる
011わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
参議篁
さんぎたかむら
012天つ風 雲の通ひ路 ふきとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよひ(い)ぢ(じ) ふきとぢ(じ)よ を(お)とめのすがた しばしとどめむ(ん)
僧正遍昭
そうじょうへんじょう
013つくばねの みねよりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがは(わ) こひ(い)ぞつもりて ふちとなりぬる
陽成院
ようぜいいん
014陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし われならなくに
みちのくの しのぶもぢ(じ)ずり たれゆゑ(え)に みだれそめにし われならなくに
河原左大臣
かわらのさだいじん
015君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
光孝天皇
こうこうてんのう
016立ちわかれ いなばの山の みねに生ふる まつとし聞かば いま帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおふ(う)る まつとしきかば いまかへ(え)りこむ(ん)
中納言行平
ちゅうなごんゆきひら
017ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは(わ) からくれなゐ(い)に みづ(ず)くくるとは
在原業平朝臣
ありわらのなりひらあそん
018住江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさへ(え)や ゆめのかよひ(い)ぢ(じ) ひとめよくらむ(ん)
藤原敏行朝臣
ふじわらのとしゆきあそん
019難波潟 みじかき葦の ふしの間も あはでこの世を すぐしてよとや
なには(わ)がた みじかきあしの ふしのまも あは(わ)でこのよを すぐしてよとや
伊勢
いせ
020わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なには(わ)なる みをつくしても あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
元良親王
もとよししんのう
021いま来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな
いまこむ(ん)と いひ(い)しばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
素性法師
そせいほうし
022吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しを(お)るれば むべやまかぜを あらしといふ(う)らむ(ん)
文屋康秀
ふんやのやすひで
023月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
大江千里
おおえのちさと
024このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに
このたびは ぬさもとりあへ(え)ず たむけやま もみぢ(じ)のにしき かみのまにまに
菅家
かんけ
025名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
なにしおは(わ)ば あふ(おう)さかやまの さねかづ(ず)ら ひとにしられで くるよしもがな
三条右大臣
さんじょうのうだいじん
026小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ
を(お)ぐらやま みねのもみぢ(じ)ば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ(ん)
貞信公
ていしんこう
027みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いづ(ず)みがは(わ) いつみきとてか こひ(い)しかるらむ(ん)
中納言兼輔
ちゅうなごんかねすけ
028山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへ(え)ば
源宗于朝臣
みなもとのむねゆきあそん
029心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
こころあてに を(お)らばやを(お)らむ(ん) はつしもの おきまどは(わ)せる しらぎくのはな
凡河内躬恒
おおしこうちのみつね
030有明の つれなく見えし わかれより 暁ばかり うきものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
壬生忠岑
みぶのただみね
031朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
坂上是則
さかのうえのこれのり
032山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり
やまがは(わ)に かぜのかけたる しがらみは ながれもあへ(え)ぬ もみぢ(じ)なりけり
春道列樹
はるみちのつらき
033ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづ(ず)ごころなく はなのちるらむ(ん)
紀友則
きのとものり
034誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
たれをかも しるひとにせむ(ん) たかさごの まつもむかしの ともならなくに
藤原興風
ふじわらのおきかぜ
035人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほ(お)ひ(い)ける
紀貫之
きのつらゆき
036夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
なつのよは まだよひ(い)ながら あけぬるを くものいづ(ず)こに つきやどるらむ(ん)
清原深養父
きよはらのふかやぶ
037白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
文屋朝康
ふんやのあさやす
038忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
わすらるる みをばおもは(わ)ず ちかひ(い)てし ひとのいのちの を(お)しくもあるかな
右近
うこん
039浅茅生の をののしの原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
あさぢふ(う)の を(お)ののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひ(い)しき
参議等
さんぎひとし
040しのぶれど 色にいでにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
しのぶれど いろにいでにけり わがこひ(い)は ものやおもふ(う)と ひとのとふ(う)まで
平兼盛
たいらのかねもり
041恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか
こひ(い)すてふ(ちょう) わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひ(い)そめしか
壬生忠見
みぶのただみ
042契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑ(え)のまつやま なみこさじとは
清原元輔
きよはらのもとすけ
043逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
あひ(い)みての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもは(わ)ざりけり
権中納言敦忠
ごんちゅうなごんあつただ
044逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも うらみざらまし
あふ(おう)ことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
中納言朝忠
ちゅうなごんあさただ
045あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
あは(わ)れとも いふ(う)べきひとは おもほ(お)えで みのいたづ(ず)らに なりぬべきかな
謙徳公
けんとくこう
046由良のとを わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
ゆらのとを わたるふなびと かぢ(じ)をたえ ゆくへ(え)もしらぬ こひ(い)のみちかな
曽祢好忠
そねのよしただ
047八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
やへ(え)むぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
恵慶法師
えぎょうほうし
048風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
かぜをいたみ いは(わ)うつなみの おのれのみ くだけてものを おもふ(う)ころかな
源重之
みなもとのしげゆき
049みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
みかきもり ゑ(え)じのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ(え)
大中臣能宣朝臣
おおなかとみのよしのぶあそん
050君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな
きみがため を(お)しからざりし いのちさへ(え) ながくもがなと おもひ(い)けるかな
藤原義孝
ふじわらのよしたか
051かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
かくとだに えやは(わ)いぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひ(い)を
藤原実方朝臣
ふじわらのさねかたあそん
052明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なほ(お)うらめしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
ふじわらのみちのぶあそん
053なげきつつ ひとりぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかは(わ)しる
右大将道綱母
うだいしょうみちつなのはは
054わすれじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな
わすれじの ゆくすゑ(え)までは かたければ けふ(きょう)をかぎりの いのちともがな
儀同三司母
ぎどうさんしのはは
055滝の音は 絶えてひさしく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほ(お)きこえけれ
大納言公任
だいなごんきんとう
056あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな
あらざらむ(ん) このよのほかの おもひ(い)でに いまひとたびの あふ(おう)こともがな
和泉式部
いずみしきぶ
057めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
めぐりあひ(い)て みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よは(わ)のつきかな
紫式部
むらさきしきぶ
058有馬山 猪名の笹原 風ふけば いでそよ人を 忘れやはする
ありまやま ゐ(い)なのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやは(わ)する
大弐三位
だいにのさんみ
059やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月をみしかな
やすらは(わ)で ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
赤染衛門
あかぞめえもん
060大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立
おほ(お)えやま いくののみちの とほ(お)ければ まだふみもみず あまのはしだて
小式部内侍
こしきぶのないし
061いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひぬるかな
いにしへ(え)の ならのみやこの やへ(え)ざくら けふ(きょう)ここのへ(え)に にほ(お)ひ(い)ぬるかな
伊勢大輔
いせのたいふ
062夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふ(おう)さかの せきはゆるさじ
清少納言
せいしょうなごん
063いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
いまはただ おもひ(い)たえなむ(ん) とばかりを ひとづてならで いふ(う)よしもがな
左京大夫道雅
さきょうのだいぶみちまさ
064朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
あさぼらけ うぢ(じ)のかは(わ)ぎり たえだえに あらは(わ)れわたる せぜのあじろぎ
権中納言定頼
ごんちゅうなごんさだより
065うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひ(い)にくちなむ(ん) なこそを(お)しけれ
相模
さがみ
066もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに しる人もなし
もろともに あは(わ)れとおもへ(え) やまざくら はなよりほかに しるひともなし
前大僧正行尊
さきのだいそうじょうぎょうそん
067春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひ(い)なくたたむ(ん) なこそを(お)しけれ
周防内侍
すおうのないし
068こころにも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
こころにも あらでうきよに ながらへ(え)ば こひ(い)しかるべき よは(わ)のつきかな
三条院
さんじょういん
069あらしふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり
あらしふく みむろのやまの もみぢ(じ)ばは たつたのかは(わ)の にしきなりけり
能因法師
のういんほうし
070さびしさに 宿を立ちいでて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕暮れ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづ(ず)こもおなじ あきのゆふ(う)ぐれ
良暹法師
りょうぜんほうし
071夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく
ゆふ(う)されば かどたのいなば おとづ(ず)れて あしのまろやに あきかぜぞふく
大納言経信
だいなごんつねのぶ
072音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
ゆうしないしんのうけのきい
073高砂の 尾の上の桜 さきにけり 外山の霞 たたずもあらなむ
たかさごの を(お)のへ(え)のさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ(ん)
権中納言匡房
ごんちゅうなごんまさふさ
074うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは いのらぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを
源俊頼朝臣
みなもとのとしよりあそん
075ちぎりおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あは(わ)れことしの あきもいぬめり
藤原基俊
ふじわらのもととし
076わたの原 漕ぎいでて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐ(い)にまがふ(ごう) おきつしらなみ
法性寺入道前関白太政大臣
ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん
077瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
せを(お)はやみ いは(わ)にせかるる たきがは(わ)の われてもすゑ(え)に あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
崇徳院
すとくいん
078淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守
あは(わ)ぢ(じ)しま かよふ(う)ちどりの なくこゑ(え)に いくよねざめぬ すまのせきもり
源兼昌
みなもとのかねまさ
079秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ
あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
左京大夫顕輔
さきょうのだいぶあきすけ
080ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
ながからむ(ん) こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ(え)
待賢門院堀河
たいけんもんいんのほりかわ
081ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞのこれる
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
後徳大寺左大臣
ごとくだいじのさだいじん
082思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり
おもひ(い)わび さてもいのちは あるものを うきにたへ(え)ぬは なみだなりけり
道因法師
どういんほうし
083よのなかよ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
よのなかよ みちこそなけれ おもひ(い)いる やまのおくにも しかぞなくなる
皇太后宮大夫俊成
こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい
084ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
ながらへ(え)ば またこのごろや しのばれむ(ん) うしとみしよぞ いまはこひ(い)しき
藤原清輔朝臣
ふじわらのきよすけあそん
085夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
よもすがら ものおもふ(う)ころは あけやらで ねやのひまさへ(え) つれなかりけり
俊恵法師
しゅんえほうし
086なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
なげけとて つきやは(わ)ものを おもは(わ)する かこちがほ(お)なる わがなみだかな
西行法師
さいぎょうほうし
087村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮れ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふ(う)ぐれ
寂蓮法師
じゃくれんほうし
088難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
なには(わ)えの あしのかりねの ひとよゆゑ(え) みをつくしてや こひ(い)わたるべき
皇嘉門院別当
こうかもんいんのべっとう
089玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らへば しのぶることの 弱りもぞする
たまのを(お)よ たえなばたえね ながらへ(え)ば しのぶることの よわりもぞする
式子内親王
しょくしないしんのう
090見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず
みせばやな を(お)じまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかは(わ)らず
殷富門院大輔
いんぷもんいんのたいふ
091きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに ころもかたしき ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ(ん)
後京極摂政前太政大臣
ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん
092わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし
わがそでは しほ(お)ひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
二条院讃岐
にじょういんのさぬき
093世の中は つねにもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのを(お)ぶねの つなでかなしも
鎌倉右大臣
かまくらのうだいじん
094み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさとさむく 衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
参議雅経
さんぎまさつね
095おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に すみぞめのそで
おほ(お)けなく うきよのたみに おほ(お)ふ(う)かな わがたつそまに すみぞめのそで
前大僧正慈円
さきのだいそうじょうじえん
096花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
はなさそふ(う) あらしのには(わ)の ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
入道前太政大臣
にゅうどうさきのだいじょうだいじん
097来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆふ(う)なぎに やくやもしほ(お)の みもこがれつつ
権中納言定家
ごんちゅうなごんていか
098風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
かぜそよぐ ならのを(お)がは(わ)の ゆふ(う)ぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
従二位家隆
じゅにいいえたか
099人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は
ひともを(お)し ひともうらめし あぢ(じ)きなく よをおもふ(う)ゆゑ(え)に ものおもふ(う)みは
後鳥羽院
ごとばいん
100百敷や ふるき軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほ(お)あまりある むかしなりけり
順徳院
じゅんとくいん

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五十音順(あいうえお順)一覧

番号和歌作者
079秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ
あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
左京大夫顕輔
さきょうのだいぶあきすけ
001秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
あきのたの かりほのいほ(お)の とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
天智天皇
てんじてんのう
052明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なほ(お)うらめしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
ふじわらのみちのぶあそん
039浅茅生の をののしの原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
あさぢふ(う)の を(お)ののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひ(い)しき
参議等
さんぎひとし
031朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
坂上是則
さかのうえのこれのり
064朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
あさぼらけ うぢ(じ)のかは(わ)ぎり たえだえに あらは(わ)れわたる せぜのあじろぎ
権中納言定頼
ごんちゅうなごんさだより
003あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
あしびきの やまどりのを(お)の しだりを(お)の ながながしよを ひとりかもねむ(ん)
柿本人麻呂
かきのもとのひとまろ
078淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守
あは(わ)ぢ(じ)しま かよふ(う)ちどりの なくこゑ(え)に いくよねざめぬ すまのせきもり
源兼昌
みなもとのかねまさ
045あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
あは(わ)れとも いふ(う)べきひとは おもほ(お)えで みのいたづ(ず)らに なりぬべきかな
謙徳公
けんとくこう
043逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
あひ(い)みての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもは(わ)ざりけり
権中納言敦忠
ごんちゅうなごんあつただ
044逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも うらみざらまし
あふ(おう)ことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
中納言朝忠
ちゅうなごんあさただ
012天つ風 雲の通ひ路 ふきとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよひ(い)ぢ(じ) ふきとぢ(じ)よ を(お)とめのすがた しばしとどめむ(ん)
僧正遍昭
そうじょうへんじょう
007天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
阿部仲麿
あべのなかまろ
056あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな
あらざらむ(ん) このよのほかの おもひ(い)でに いまひとたびの あふ(おう)こともがな
和泉式部
いずみしきぶ
069あらしふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり
あらしふく みむろのやまの もみぢ(じ)ばは たつたのかは(わ)の にしきなりけり
能因法師
のういんほうし
030有明の つれなく見えし わかれより 暁ばかり うきものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
壬生忠岑
みぶのただみね
058有馬山 猪名の笹原 風ふけば いでそよ人を 忘れやはする
ありまやま ゐ(い)なのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやは(わ)する
大弐三位
だいにのさんみ
061いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひぬるかな
いにしへ(え)の ならのみやこの やへ(え)ざくら けふ(きょう)ここのへ(え)に にほ(お)ひ(い)ぬるかな
伊勢大輔
いせのたいふ
021いま来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな
いまこむ(ん)と いひ(い)しばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
素性法師
そせいほうし
063いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
いまはただ おもひ(い)たえなむ(ん) とばかりを ひとづてならで いふ(う)よしもがな
左京大夫道雅
さきょうのだいぶみちまさ
074うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは いのらぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを
源俊頼朝臣
みなもとのとしよりあそん
065うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひ(い)にくちなむ(ん) なこそを(お)しけれ
相模
さがみ
005奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき
おくやまに もみぢ(じ)ふみわけ なくしかの こゑ(え)きくときぞ あきはかなしき
猿丸大夫
さるまるだゆう
072音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
ゆうしないしんのうけのきい
060大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立
おほ(お)えやま いくののみちの とほ(お)ければ まだふみもみず あまのはしだて
小式部内侍
こしきぶのないし
095おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に すみぞめのそで
おほ(お)けなく うきよのたみに おほ(お)ふ(う)かな わがたつそまに すみぞめのそで
前大僧正慈円
さきのだいそうじょうじえん
082思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり
おもひ(い)わび さてもいのちは あるものを うきにたへ(え)ぬは なみだなりけり
道因法師
どういんほうし
051かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
かくとだに えやは(わ)いぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひ(い)を
藤原実方朝臣
ふじわらのさねかたあそん
006かささぎの わたせる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける
かささぎの わたせるはし におくしもの しろきをみれば よぞふけにける
大伴家持
おおとものやかもち
098風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
かぜそよぐ ならのを(お)がは(わ)の ゆふ(う)ぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
従二位家隆
じゅにいいえたか
048風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
かぜをいたみ いは(わ)うつなみの おのれのみ くだけてものを おもふ(う)ころかな
源重之
みなもとのしげゆき
015君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
光孝天皇
こうこうてんのう
050君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな
きみがため を(お)しからざりし いのちさへ(え) ながくもがなと おもひ(い)けるかな
藤原義孝
ふじわらのよしたか
091きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに ころもかたしき ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ(ん)
後京極摂政前太政大臣
ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん
029心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
こころあてに を(お)らばやを(お)らむ(ん) はつしもの おきまどは(わ)せる しらぎくのはな
凡河内躬恒
おおしこうちのみつね
068こころにも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
こころにも あらでうきよに ながらへ(え)ば こひ(い)しかるべき よは(わ)のつきかな
三条院
さんじょういん
097来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆふ(う)なぎに やくやもしほ(お)の みもこがれつつ
権中納言定家
ごんちゅうなごんていか
024このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに
このたびは ぬさもとりあへ(え)ず たむけやま もみぢ(じ)のにしき かみのまにまに
菅家
かんけ
041恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか
こひ(い)すてふ(ちょう) わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひ(い)そめしか
壬生忠見
みぶのただみ
010これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも 逢坂の関
これやこの ゆくもかへ(え)るも わかれては しるもしらぬも あふ(おう)さかのせき
蝉丸
せみまる
070さびしさに 宿を立ちいでて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕暮れ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづ(ず)こもおなじ あきのゆふ(う)ぐれ
良暹法師
りょうぜんほうし
040しのぶれど 色にいでにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
しのぶれど いろにいでにけり わがこひ(い)は ものやおもふ(う)と ひとのとふ(う)まで
平兼盛
たいらのかねもり
037白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
文屋朝康
ふんやのあさやす
018住江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさへ(え)や ゆめのかよひ(い)ぢ(じ) ひとめよくらむ(ん)
藤原敏行朝臣
ふじわらのとしゆきあそん
077瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
せを(お)はやみ いは(わ)にせかるる たきがは(わ)の われてもすゑ(え)に あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
崇徳院
すとくいん
073高砂の 尾の上の桜 さきにけり 外山の霞 たたずもあらなむ
たかさごの を(お)のへ(え)のさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ(ん)
権中納言匡房
ごんちゅうなごんまさふさ
055滝の音は 絶えてひさしく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほ(お)きこえけれ
大納言公任
だいなごんきんとう
004田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたへ(え)の ふじのたかねに ゆきはふりつつ
山辺赤人
やまべのあかひと
016立ちわかれ いなばの山の みねに生ふる まつとし聞かば いま帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおふ(う)る まつとしきかば いまかへ(え)りこむ(ん)
中納言行平
ちゅうなごんゆきひら
089玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らへば しのぶることの 弱りもぞする
たまのを(お)よ たえなばたえね ながらへ(え)ば しのぶることの よわりもぞする
式子内親王
しょくしないしんのう
034誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
たれをかも しるひとにせむ(ん) たかさごの まつもむかしの ともならなくに
藤原興風
ふじわらのおきかぜ
075ちぎりおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あは(わ)れことしの あきもいぬめり
藤原基俊
ふじわらのもととし
042契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑ(え)のまつやま なみこさじとは
清原元輔
きよはらのもとすけ
017ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは(わ) からくれなゐ(い)に みづ(ず)くくるとは
在原業平朝臣
ありわらのなりひらあそん
023月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
大江千里
おおえのちさと
013つくばねの みねよりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがは(わ) こひ(い)ぞつもりて ふちとなりぬる
陽成院
ようぜいいん
080ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
ながからむ(ん) こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ(え)
待賢門院堀河
たいけんもんいんのほりかわ
084ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
ながらへ(え)ば またこのごろや しのばれむ(ん) うしとみしよぞ いまはこひ(い)しき
藤原清輔朝臣
ふじわらのきよすけあそん
053なげきつつ ひとりぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかは(わ)しる
右大将道綱母
うだいしょうみちつなのはは
086なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
なげけとて つきやは(わ)ものを おもは(わ)する かこちがほ(お)なる わがなみだかな
西行法師
さいぎょうほうし
036夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
なつのよは まだよひ(い)ながら あけぬるを くものいづ(ず)こに つきやどるらむ(ん)
清原深養父
きよはらのふかやぶ
025名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
なにしおは(わ)ば あふ(おう)さかやまの さねかづ(ず)ら ひとにしられで くるよしもがな
三条右大臣
さんじょうのうだいじん
088難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
なには(わ)えの あしのかりねの ひとよゆゑ(え) みをつくしてや こひ(い)わたるべき
皇嘉門院別当
こうかもんいんのべっとう
019難波潟 みじかき葦の ふしの間も あはでこの世を すぐしてよとや
なには(わ)がた みじかきあしの ふしのまも あは(わ)でこのよを すぐしてよとや
伊勢
いせ
096花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
はなさそふ(う) あらしのには(わ)の ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
入道前太政大臣
にゅうどうさきのだいじょうだいじん
009花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
はなのいろは うつりにけりな いたづ(ず)らに わがみよにふる ながめせしまに
小野小町
おののこまち
002春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
はるすぎて なつきにけらし しろたへ(え)の ころもほすてふ(ちょう) あまのかぐやま
持統天皇
じとうてんのう
067春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひ(い)なくたたむ(ん) なこそを(お)しけれ
周防内侍
すおうのないし
033ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづ(ず)ごころなく はなのちるらむ(ん)
紀友則
きのとものり
035人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほ(お)ひ(い)ける
紀貫之
きのつらゆき
099人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は
ひともを(お)し ひともうらめし あぢ(じ)きなく よをおもふ(う)ゆゑ(え)に ものおもふ(う)みは
後鳥羽院
ごとばいん
022吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しを(お)るれば むべやまかぜを あらしといふ(う)らむ(ん)
文屋康秀
ふんやのやすひで
081ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞのこれる
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
後徳大寺左大臣
ごとくだいじのさだいじん
049みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
みかきもり ゑ(え)じのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ(え)
大中臣能宣朝臣
おおなかとみのよしのぶあそん
027みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いづ(ず)みがは(わ) いつみきとてか こひ(い)しかるらむ(ん)
中納言兼輔
ちゅうなごんかねすけ
090見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず
みせばやな を(お)じまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかは(わ)らず
殷富門院大輔
いんぷもんいんのたいふ
014陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし われならなくに
みちのくの しのぶもぢ(じ)ずり たれゆゑ(え)に みだれそめにし われならなくに
河原左大臣
かわらのさだいじん
094み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさとさむく 衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
参議雅経
さんぎまさつね
087村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮れ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふ(う)ぐれ
寂蓮法師
じゃくれんほうし
057めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
めぐりあひ(い)て みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よは(わ)のつきかな
紫式部
むらさきしきぶ
100百敷や ふるき軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほ(お)あまりある むかしなりけり
順徳院
じゅんとくいん
066もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに しる人もなし
もろともに あは(わ)れとおもへ(え) やまざくら はなよりほかに しるひともなし
前大僧正行尊
さきのだいそうじょうぎょうそん
059やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月をみしかな
やすらは(わ)で ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
赤染衛門
あかぞめえもん
047八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
やへ(え)むぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
恵慶法師
えぎょうほうし
032山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり
やまがは(わ)に かぜのかけたる しがらみは ながれもあへ(え)ぬ もみぢ(じ)なりけり
春道列樹
はるみちのつらき
028山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへ(え)ば
源宗于朝臣
みなもとのむねゆきあそん
071夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞふく
ゆふ(う)されば かどたのいなば おとづ(ず)れて あしのまろやに あきかぜぞふく
大納言経信
だいなごんつねのぶ
046由良のとを わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
ゆらのとを わたるふなびと かぢ(じ)をたえ ゆくへ(え)もしらぬ こひ(い)のみちかな
曽祢好忠
そねのよしただ
093世の中は つねにもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのを(お)ぶねの つなでかなしも
鎌倉右大臣
かまくらのうだいじん
083よのなかよ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
よのなかよ みちこそなけれ おもひ(い)いる やまのおくにも しかぞなくなる
皇太后宮大夫俊成
こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい
085夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
よもすがら ものおもふ(う)ころは あけやらで ねやのひまさへ(え) つれなかりけり
俊恵法師
しゅんえほうし
062夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふ(おう)さかの せきはゆるさじ
清少納言
せいしょうなごん
008わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世を宇治山と 人は言ふなり
わがいほ(お)は みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢ(じ)やまと ひとはいふ(う)なり
喜撰法師
きせんほうし
092わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし
わがそでは しほ(お)ひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
二条院讃岐
にじょういんのさぬき
038忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
わすらるる みをばおもは(わ)ず ちかひ(い)てし ひとのいのちの を(お)しくもあるかな
右近
うこん
054わすれじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな
わすれじの ゆくすゑ(え)までは かたければ けふ(きょう)をかぎりの いのちともがな
儀同三司母
ぎどうさんしのはは
076わたの原 漕ぎいでて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐ(い)にまがふ(ごう) おきつしらなみ
法性寺入道前関白太政大臣
ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん
011わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
参議篁
さんぎたかむら
020わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なには(わ)なる みをつくしても あは(わ)む(ん)とぞおもふ(う)
元良親王
もとよししんのう
026小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ
を(お)ぐらやま みねのもみぢ(じ)ば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ(ん)
貞信公
ていしんこう
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あきぜにぎりすはるぎて
あきたのこころてにはるよの
ぬればこころかたの
あさふのひとをひといさ
あさぼらけたびはひとをし
あさぼらけすてふくからに
ひきのやこのととぎす
あはしまびしさにみかもり
あはともぶれどみかはら
みてのつゆにばやな
あふとのみのえののくの
あまかぜをはやみしのの
あまはらさごのらさめの
あららむのおとはぐりあひて
あらふくのうらにしきや
ありけのわかれともに
ありやまのをよらはで
しへのをかもむぐら
いまむとちぎりきしやまはに
いまただちぎりやまとは
りけるやぶるされば
みわびみればのとを
やまにばねのよのなか
にきくながらむよのなか
おほやまながへばすがら
おほなくなげつつこめて
ひわびなげとてわがほは
とだにのよはわがでは
さぎのなにおはばわするる
かぜよぐなにはわすじの
かぜいたみなにはわたのはら
きみがためはなそふわたのはら
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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
お菓子メーカー勤務のサラリーマン
趣味は歌舞伎を見ること(2012年~)
古文や古典を楽しむ人が一人でも増えればよいなと考えながら情報発信しております。
その他、趣味で始めたプログラミングに関することや、通信制大学(放送大学)、各種資格試験の体験談などについても、記事にまとめております。


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