古典文法の基本を身につけて読解力を向上させるための、おすすめの古文の参考書・テキストをご紹介いたします。どの参考書を利用しようか迷っている方はぜひご覧ください。
目次
古文の参考書
ここでは、古文読解の基本となる文法を身につけるための参考書をご紹介します。古文単語帳や敬語、日本文学史のテキストについては、下記のそれぞれのページをご覧ください。
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>> 古文の敬語の覚え方 – 一覧で種類や対象を確認するのが見分け方の基本
>> 日本の文学史おすすめ参考書!古文も現代文(近代)もまとめた本で大学受験対策
古文の参考書は、①古典文法の基本を身につけるもの、②実際に読解の練習に使用するもの、の2種類にわかれると思います。利用する順番としては、まず①のテキストで古典文法をひととおり身につけて、つぎに②で練習していきながら、ときおり①の参考書も参照する、というのが一般的な流れです。
それではそれぞれの参考書を見ていきましょう。
①古典文法の基本を身につける参考書
吉野式古典文法スーパー暗記帖
私が実際に使ったのは『吉野式古典文法スーパー暗記帖』です。
見た目は派手ですが、書いてある内容はまともだと思います。この参考書を使って、助動詞の接続と活用、意味を身につけることを目指します。私は中学時代に、この本についている助動詞の活用表を使って、接続と活用をすべて覚えましたので、中学生の方も問題なく使用できるテキストです。
使い方
まずは助動詞の接続をすべて覚えます。たとえば、未然形接続の助動詞は「る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・む・むず・まし・まほし・ふ・ゆ」の13種類なので、この順番ですべて覚えます。次に連用形接続、終止形接続、とすべて覚えたら、それぞれの助動詞の活用と意味を覚えていきます。
この最初の暗記部分で古文が嫌いになる人がいるようですが、英語に比べれば覚える文法事項は少ないですし、これをしないと面白い古文を読んで楽しむこともできないので、がんばっていただきたいです。
②読解の練習に使用する参考書
土屋の古文講義
基本的な文法を覚えたら、つぎに古文を読んで知識の確認をします。読めなかったところは文法をもう一度確認して、知識を定着させていきます。「古文講義」の基本篇を一通り解いて解説を読めば、基本的な読解力は身につきます。余裕がある方は、上級編として、「古文講義」の錬成篇もあるので、解いてみると良いと思います。
中堅私大古文演習
もっと問題を解きたい場合は『中堅私大古文演習』を利用すると良いと思います。
過去問演習は「青本」で
過去問は「赤本」ではなく、解説が充実している「青本」を使ったほうが良いです。青本は予備校の講師陣が解説を作っていますので、わかりやすく丁寧で、くわしい内容ですから信頼感があります。
私は大学受験のとき、過去問を「10年分を3周」解きました。累計で30年分ですが、第一志望はこれくらい過去問演習すると良いです。問題を何度も解くことで出題形式に慣れることができますし、問題の傾向を肌で実感することもできます。模試の判定が良くても油断せずに、過去問演習はきちんとしましょう。反対に、模試の判定があまり良くなくても、過去問演習にきちんと取り組めば、合格ラインに近づくことができるので、あきらめずに取り組むべきです。私は高3の12月の直前模試で、第一志望校がE判定だったので非常に焦ったのですが、それから過去問演習をくり返して基本も確認しなおして、なんとか合格することができましたので、あきらめないことが肝心です。
古文は役に立つ?
「古文は役に立たないから必要ない」という意見を耳にすることは多いのですが、たしかに、古文の知識は経済的な豊かさに直結するものではありません。しかしながら、それは古文に限ったことではなく、その他の学問分野や、野球やサッカーなどのスポーツも同じです。とくに、野球やサッカーについて、「役に立たないから必要ない」と口にする人があまりいないのは、それを面白いと感じて熱狂する人が多いからです。いっぽう、学問には、「どの分野が役に立つのか」「どの分野から研究費用を削減するのか」など厳しい目が向けられがちなのは、それだけ学問を楽しむ人が少ないからだと思われます。
私はもちろん野球などのスポーツも楽しみますが、古文で上演される歌舞伎の舞台を見るのも好きですし、古筆をながめるのも好きです。役に立つかどうか、で判断するのも大切だと思うのですが、自分が楽しめるのか、面白いと感じられるのか、という視点も重要です。
したがって、私は「古文は役に立たないから勉強しない」という意見も否定するつもりはありません。古文が読めなければ、それだけ面白い作品を楽しむチャンスを失うだけですし、人生を豊かにするような発見を得る機会がほんの少しだけ減るだけです。ただ、古文を楽しめる人が、一人でも増えれば良いなとは考えております。
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