高校の古文の授業で、よくわからないところがあったらどうしますか?
それぞれの教科書に対応した教科書ガイドを見ますか?
それとも、授業で先生が解説するのをおとなしく待ちますか?
たしかに、自分の手で品詞分解をするのは文法知識を身につける良い練習になりますが、いつまでもわからないところをそのままにするのは時間の無駄です。そして、教科書ガイドは数千円もして高価だから簡単に見られません。
先生の手元には解説書があるのに、生徒の手元にあるのは辞書くらい。
それは不公平だと思いませんか?
知りたいことは自分の手でどんどん調べたいですよね?
そこで、高校生のみなさんでも無料で簡単に古文の解説を見る方法をご紹介します。
目次
図書館で注釈書を見よう
注釈書とは、研究者が自らの専門分野の研究成果に基づいて、注釈(語句の出典や人物などの解説)や現代語訳を付けた本を指します。これは大学生も参照するテキストで、公立の図書館に大抵そろっていますから、高校生の方も積極的に活用しましょう。下に示したのは複数の作品を収めた叢書で、文学全集のようなものです。
『新編日本古典文学全集』(平成6年、小学館)
現代語訳が全文ついているのが特徴です。私が在籍していた大学の教授曰く、「高校教師はだいたいこれを持っているんだよ」とのことです(真偽は不明)。
『新日本古典文学大系』(平成元年、岩波書店)
八代集(古今集から新古今集までの八つの勅撰和歌集)の注釈書は新大系にすべてそろっています。
『新潮日本古典集成』(昭和51年、新潮社)
本文の横に注と訳がついているのが特徴で、新装版も出版されました。スピードをつけて読むのに最適、と評判のシリーズです。
『和歌文学大系』(平成9年、明治書院)
『新編国歌大観』(昭和58年、角川書店)
和歌を検索することができます。CD-ROM版があるので、私も自分のPCに入れておきました。
『新釈漢文大系』(昭和35年、明治書院)
日本の漢詩文は古典文学大系にそろっていますが、こちらに中国の古典が収められています。
『謡曲大観』(佐成謙太郎、昭和57年、明治書院)
各社の文庫本
文庫本にも現代語訳がついているものがあります。各画像は一例です。
角川ソフィア文庫
岩波文庫
講談社学術文庫
おわりに
各注釈書で本文のもとにしている本が異なったり、解釈について意見が分かれる箇所もありますが、古文を読んでいてわからない所があったときに参照してみましょう。
また、ここで挙げたのは一例です。それぞれの作品ごとに個別の注釈書がある場合もありますので、図書館で探してみてください。