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宮沢賢治『銀河鉄道の夜』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

投稿日:2018年1月10日 更新日:

 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の簡単なあらすじと読書感想文の見本です。感想文は1840字ほど書きました。高校生や中学生の方は、この感想文の例を参考にして書き方を工夫してみてください。

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『銀河鉄道の夜』の簡単なあらすじ

 『銀河鉄道の夜』のあらすじは次の通りです。

 父親が家におらず、病気の母をもつジョバンニは、朝も放課後も仕事でいそがしく、学校の授業がねむくて集中できない。級友の多くはジョバンニをばかにしてからかうが、カムパネルラだけはジョバンニに同情を寄せ、気の毒に思っている。学校が終わって級友たちが銀河のお祭りにでかけるのを横目に、ジョバンニはいつものように仕事場へ向かい、その後、母親のために牛乳を受け取りにいく。牧場の裏の丘で寝転んでいるうち、気がつくと小さな列車の座席にカムパネルラとともに座っている。カムパネルラと列車に乗って夜の銀河をめぐっていくが、とつぜん、かたわらにいたはずのカムパネルラが姿を消したことに気づく。あたりの景色はいつの間にかもとの丘の上に変わっていて、カムパネルラが川でおぼれたことを知らされ、彼がすでに死んでしまったことを悟るのであった。

 以上のあらすじをふまえて書きます。

●読書感想文の書き方を解説した記事はこちら。簡単に書くコツがあります。

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『銀河鉄道の夜』感想文の例

 「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」というジョバンニのつぶやきは、自己の幸福と他者の幸福が対立した場合に下さなければならない判断の難しさを感じさせる。
 父親が家におらず、病気の母をもつジョバンニは、朝も放課後も仕事でいそがしく、学校の授業がねむくて集中できない。級友の多くはジョバンニをばかにしてからかうが、カムパネルラだけはジョバンニに同情を寄せ、気の毒に思っている。学校が終わって級友たちが銀河のお祭りにでかけるのを横目に、ジョバンニはいつものように仕事場へ向かい、その後、母親のために牛乳を受け取りにいく。牧場の裏の丘で寝転んでいるうち、気がつくと小さな列車の座席にカムパネルラとともに座っている。カムパネルラと列車に乗って夜の銀河をめぐっていくが、とつぜん、かたわらにいたはずのカムパネルラが姿を消したことに気づく。あたりの景色はいつの間にかもとの丘の上に変わっていて、カムパネルラが川でおぼれたことを知らされ、彼がすでに死んでしまったことを悟るのであった。
 この物語でくり返されるのは、自己犠牲のモチーフである。ジョバンニとカムパネルラが列車に乗っているところへ、一人の青年と、女の子と男の子のきょうだいという三人の乗客が登場する。青年が、「ああ、ぼくたちはそらへ来たのだ。わたしたちは天へ行くのです。(中略)わたくしたちは神さまに召されているのです。」と語るところで、読者は彼らがすでに亡くなった人々であることに気づかされる。どこからやってきたのか問われた青年は、ことの次第を語りはじめる。彼が大学生の家庭教師であり、二人のきょうだいの世話をしていたということ、三人が乗っていた船が氷山にぶつかり沈没したこと、そして、救命ボートにきょうだいの二人だけでも乗せてあげたいと思ったのだが、助けを求めているほかの人々を押しのけてまで、ボートに乗せることはできないと考え海に浮かんでいたこと、などが明かされる。その時の情景は、たまらなく悲しい場面であったろう。自分たちが助かるためには、ほかの人々を押しのけなければならない。自分が助かれば他人を犠牲にしてもよいのだろうか、それで本当に幸福になれるだろうか、自らが青年と同じような境遇に立たされたら、青年のように勇気ある行動をとることができるだろうか、この場面で様々な考えが私の頭に浮かんだ。青年の話を聞いたジョバンニの、「ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう」という自問は、読者に投げかけられる問いでもあるのだ。
 また、女の子が語るバルドラの野原のさそりの話も、青年の船の話と同じように自己犠牲をテーマとしている。女の子が父親から聞いたというその話は、次の通りである。小さな虫を殺して食べて暮らしていたさそりは、ある日、いたちに追いかけられ食べられそうになるが、逃げまわるうちに井戸に落ちおぼれそうになる。これまでいくつもの命を殺してきたことを後悔し、また、自分の命を必死になって守ってけっきょく無駄にしてしまったことを恥じたさそりは、「こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸のために私のからだをおつかい下さい」と神に祈った。すると、さそりの体は「まっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照ら」しつづけたのである。このようなさそりにまつわる話は、自らを犠牲にして他者のためにつくすことの美しさを訴えかけている。命を奪うことで自らの命を保っている点で、私もさそりと同じ立場にある。他者に命をささげる潔さは、それがなしがたいことであるがゆえに尊いものなのだと感じられる。
 青年と二人のきょうだいの話、そしてバルドラのさそりの話は、ともに「水におぼれて死を迎える」という共通点を持っており、物語終盤に明らかになるカムパネルラの水死の伏線であると考えられる。ジョバンニが丘の上で目をさましたとき、夜空に美しくかがやいていたのはさそり座の赤い星であった。この星こそが、級友のザネリの命を救うために自身の命を投げ出したカムパネルラなのである。「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか」というカムパネルラの言葉には彼自身の信念がこもっている。すなわち、自分の命を捨てて他者を助けるということが、彼にとって正しい行いであり本当の幸せなのである。カムパネルラのような行動はとれないまでも、自身の幸福ばかりを考えて他者への思いやりを忘れていないか、私自身の行動をふり返らなければならない。

(1840字)

感想文をスラスラ書くコツ
 

まとめ

 同じテーマを何度もくりかえすので、たいへん読みやすいです。感想文のテーマに取り上げるのにちょうどよい作品だと思います。

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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
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