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川端康成『雪国』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

川端康成『雪国』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

投稿日:2018年2月15日 更新日:

 川端康成『雪国』の簡単なあらすじと読書感想文の見本です。感想文は1654字ほど書きました。高校生や中学生の方は、この感想文の例を参考にして書き方を工夫してみてください。

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『雪国』の簡単なあらすじ

 『雪国』のあらすじは次の通りです。

 親の遺産できままな暮らしをしている妻子持ちの島村は、雪国の温泉場を訪れ芸者の駒子と深い仲になる。許嫁の療養費を稼ぐために芸者になったという駒子に惹かれる一方で、真剣なまなざしを持つ葉子という娘にも惹かれるようになる。駒子と出会って三年目、島村は駒子と別れなければならないように感じはじめる。ある日、村の繭倉で火事が起き、葉子は繭倉の二階から身を投げたのであった。

 以上のあらすじをふまえて書きます。

●読書感想文の書き方を解説した記事はこちら。簡単に書くコツがあります。

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『雪国』感想文の例

 東京に暮らす身にとって、雪は縁遠い存在だ。もちろん冬の季節は降雪もある。かなたの富士山を見やれば、頂きの雪を目にすることもできる。しかし、やはり身近ではないもの、何か深遠なものを感じさせる。
 親の遺産できままな暮らしをしている妻子持ちの島村は、雪国の温泉場を訪れ芸者の駒子と深い仲になる。許嫁の療養費を稼ぐために芸者になったという駒子に惹かれる一方で、真剣なまなざしを持つ葉子という娘にも惹かれるようになる。駒子と出会って三年目、島村は駒子と別れなければならないように感じはじめる。ある日、村の繭倉で火事が起き、葉子は繭倉の二階から身を投げたのであった。
 島村は身勝手な人である。妻子を持ちながら旅先の芸者にうつつをぬかしている。そのような余裕があるのは親から受け継いだ財産があるためだ。余裕があるから芸者と遊んでいられる。駒子は島村にとって遊び道具に過ぎない。島村はひとたび温泉場をはなれれば駒子のもとへ手紙を出すこともしない。祭りの季節にまた会いに来ると約束しながら、何の連絡もせずに約束を破り、駒子のもとへやってこない。思い出したようにふらりと駒子のもとへやってくると、彼女に自然に受け入れてもらえるから、島村も彼女に甘えるのだろう。なにより島村は駒子に好かれている。その好意を大いに利用して気ままな恋愛遊びにふけっている。島村にとって駒子のいる雪国の温泉場は日常の家庭生活を忘れて楽しく遊ぶ場所である。桃源郷のような場所だ。駒子という存在があるかぎり雪国の温泉場は桃源郷なのだ。したがって、駒子との関係が破綻すれば雪国は理想郷ではなくなる。島村が雪国へやってくる理由もなくなる。島村は身勝手だから、駒子が自分の好みに合わない、あるいは駒子との関係性が自分の思い描いている理想と異なってきたと判断すれば、簡単に駒子を捨てて雪国を去るだろう。
 この物語は展開に大きな起伏がない。島村と駒子の恋愛物語ではあるが、二人の関係には緊迫した雰囲気は感じられない。女が男に向かって妻と別れるように迫ったり、男が女に嫉妬したり、三角関係に発展したり、そのようなわかりやすい展開が見られない。島村は妻帯者である。しかし、駒子との関係が問題になることはない。駒子によって島村の家庭生活が破綻に追い込まれることはない。そのような気配すら起こらない。妻や子供が島村と駒子との関係に影を落とすことはまったくない。いっぽう、駒子にも島村とは別に夫婦同様の付き合いをしている男がいる。島村と知り合う前に出会った男と関係が続いているのである。しかし、彼が問題になることはない。島村が彼の存在に嫉妬することもなければ、駒子も強いて彼との関係を隠そうとしない。葉子の存在も島村と駒子の関係をおびやかすまでには至らない。葉子が登場することによって島村と駒子の間に亀裂が生じたり、島村が葉子と恋愛関係になったり、大きな問題に発展することはない。駒子は葉子を気がちがっていると言い、「重荷」だとみなしている。島村が駒子を疎んじるようになるのも葉子が原因なのだろうか。得体の知れない葉子の存在は、島村と駒子の関係が破綻することを暗示しているのだろうか。駒子が重荷であると言う葉子は、すなわち島村にとっても重荷である。島村はその重荷を嫌ったゆえに、駒子から遠ざからろうとするのであろうか。
 島村と駒子の恋愛関係の破綻が明確に述べられることはない。島村は「こんど帰ったらもうかりそめにこの温泉へは来られないだろう」と考える。二人の別れを暗示させるばかりで、別れの場面は描かれない。物語は火事の場面で唐突に幕切れとなる。島村と駒子がどのような命運をたどるのか明らかにされることはないから、読者の想像にゆだねられる点が多い。その点で、『雪国』は物語の展開を楽しむ物語というよりは、場面ごとの言葉の美しさを味わう作品と言うこともできる。登場人物たちの会話から、また背景の自然描写に至るまで、それらの表現が暗示していることを考えながら読む楽しさがあるかもしれない。

(1654字)

感想文をスラスラ書くコツ
 

まとめ

 今回は島村を批判するかたちで書いてみました。それが比較的簡単な書き方だと思います。それにしても、『雪国』で読書感想文を書くのは非常にむずかしいので、やめたほうがよいです。まず、読むのがむずかしい。理解できなければ書けませんからね……。まだ『伊豆の踊子』のほうが読みやすいし書きやすいと思います。しかしながら、とりあえず川端康成はやめておいたほうがよいですね。康成で作文の課題を出す教師は鬼だと思います。

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都内の私立大学 文学部国文学専攻出身
お菓子メーカー勤務のサラリーマン
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