中学生や高校生の方の場合、夏休みの宿題として読書感想文の課題が出されると思われます。
私は中学生のころ作文を書くのが得意ではなく、読書感想文を書かなければならないのが嫌でたまりませんでした。
「感想なんて何もない」
「原稿用紙5枚も書けない」
「そもそも本を読むのが苦手」
「先生は宿題を出すだけで作文の書き方は教えてくれない」
このように考える方はたくさんいるのではないでしょうか。
しかし、コツをつかめば、ある程度の量の文章を書くことは誰でも簡単にできるようになります。
作文が苦手でも、読書が嫌いでも大丈夫です。書くのが楽になるはずです。
私がこのブログで感想文を書いていたときに、実際におこなっていたおすすめの方法と構成をご紹介します。
目次
読書感想文で何をめざすのか
そもそも、なぜ読書感想文を書くのでしょうか。
その答えは簡単です。宿題だからですね。
宿題が出された以上、きちんと書いて提出しなければなりません。読書感想文は夏休みに出される定番の宿題です。
しかし、私は読書感想文はそれほど役に立たないと思っています。大学や会社では、作文を書く力はほとんど役に立ちません。
大学や会社で求められるのは、作文ではなくレポートです。
レポートとは、自分で問いを立てて、リサーチしてデータを集めて、問題に対する答えを出すことです。このようなアカデミックなスキルこそ、社会に出てからも役に立つ力です。
それに対して、作文はただ感想を並べるだけです。こんなものを大学の課題で提出したら単位を取れませんし、会社でも評価されません。
私は、本を読んでメモを取ることはあるけれど、原稿用紙5枚も書きません。感想を述べるのに分量が多すぎます。
したがって、目ざすのはとにかく字数を稼いで宿題を提出することです。
高評価など狙わなくて良いです。
作文で高評価を受けても、何の自慢にもならないからです。
本の選び方
材料にする本は何でもよいです。
しかし、何でもよいと言われても困ってしまうと思うので、一例を挙げますと、宮沢賢治の本が読みやすいし書きやすいので良いと思います。
宮沢賢治は「自分を犠牲にして他人を助ける」というテーマを好んで書いているようなので、その点を頭に入れておくと書きやすいかもしれません。
読書感想文の構成
読書感想文の構成について一例を紹介します。
また、この構成の順番通りに頭から書く、というわけでもありません。構成の順番と、作文の手順は異なります。
実際に書く手順は次の通りです。
本を読み終えたら、まず最初にあらすじを書きます。次に、気になったところを二つくらい選んで書きます。さらに、感想のまとめを書いて作文をしめくくります。最後に、先ほど書いたまとめの部分を言い換えて、作文の冒頭に追加します。
下でさらにくわしく説明します。
感想文はパソコンで書くのがおすすめ
作文はパソコンで書くのがおすすめです。
良いところは、文の順番を入れ替えられる点です。なおしたいところは簡単に消したり、つけたしたりできるので非常に便利です。
また、本を読むときはメモを取りましょう。
メモを取りながら読むと、後で感想文を書くときに役に立ちます。
パソコンの画面を、Wordとメモ帳それぞれ半分ずつ使います。たとえば、左半分はWordで、右半分はメモ帳、といった感じです。
本を読みながら、気になったところをメモ帳にぬき出していきます。そのとき、ページ番号もあわせて書いておくと後で便利です。
作文を書くときは、メモ帳を参考にしながらWordのほうに書いていきます。
なお、パソコンが使えない方は、紙を使えば大丈夫です。
パソコンに入力したものを印刷してそのまま提出できれば楽なのですが、おそらく原稿用紙が指定されているでしょうから、本文が完成したら原稿用紙に書き写して清書しましょう。
あらすじの書き方
本を読んだら、あらすじを書きます。
読んだばかりなので、あらすじはすぐに思い出せますよね。こまかいことは気にせず、作品のながれに沿って書きましょう。
私は、「あらすじをまとめる」ということが、読書感想文を書くうえで最も価値のあることだと考えます。
あらすじを書くことで読解力が鍛えられるからです。
文章を読んで簡潔にまとめることを要約(ようやく)と言いますが、要約は読解力を身につけるうえで有効な訓練になります。
相手の言いたいことをきちんと読み取ることができなければ、きちんと自分の主張をすることができません。きちんと読めなければ書くこともできないのです。
会話でも同じです。相手の主張を読みちがえると、会話のやりとりがちぐはぐになってしまいますよね。
話している内容は同じなのに、よく理解している人と、わかっていない人もいる。読解力があれば周囲の人間と円滑なコミュニケーションが取れますし、会社でも重宝されるはずです。
それだけ読解力は重要なので、要約する力を鍛えるためにも、読書感想文にあらすじは欠かせないと考えられます。
気になったところについて書く
次に、メモから書けそうなところを選んでつなげます。だいたい二つか三つです。
うまくいけば作品のテーマが浮かび上がって、書くことにつながりが生まれるのですが、なかなか良い具合にいくことは少ないです。
特に書きなれていない方にはむずかしいかもしれません。
その場合、箇条書きのような感じになってしまってかまいませんから、とにかく気になったところに自分の感想や分析を添えて並べましょう。
高評価をねらおうとしないことが大切です。
最初の目的を思い出してください。
とにかく字数を稼いで宿題を提出することが重要なのです。
優れた読書感想文に価値はありません。宿題を提出することに意味があります。
最も有意義な「あらすじを書く」という段階は終わったので、あとは「適当」で良いのです。
まとめを書く
気になったところについて書いているうちに、自分の書いた文章に一貫したテーマが見えてきます。
まとめの部分を書くということは、自分が書いてきた文章を要約することです。
ここは、あらすじのように流れに沿ってまとめる、というよりも、できるだけ少ない文字数で簡潔な言葉を使いながら、短い文に書きなおすイメージで書きましょう。
そして、まとめの部分が書けたら、自分が書いたまとめをもう一つ作ります。
言葉の使い方を多少いじるだけでOKです。言葉づかいを言い換えるのです。
そして、それを作文の冒頭に持って来れば、本文は完成です。
感想文のタイトルのつけ方
タイトルはシンプルなものにしましょう。
「○○を読んで」
「○○の感想」
などで大丈夫です。
ちなみに、本のタイトルは『』でくくるのがルールです。
読書感想文の書き方まとめ
何度もくり返しますが、読書感想文に大きな意義はありません。
「感想を書け」と無理にせまられても、本を読むことや文章をつくるのが嫌いになるだけですよね。
しかも、作文の書き方を教えてくれるわけでもなく、苦手な人は放ったらかしです。
本当に能力を伸ばしたいと考えるなら、できない人にも寄り添う姿勢が必要です。
作文が苦手な人の参考になれば幸いです。最後までご覧くださりありがとうございました。