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夏目漱石『坊っちゃん』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

夏目漱石『坊っちゃん』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

投稿日:2018年1月9日 更新日:

 夏目漱石『坊っちゃん』の簡単なあらすじと読書感想文の見本です。感想文は1981字ほど書きました。高校生や中学生の方は、この感想文の例を参考にして書き方を工夫してみてください。

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『坊っちゃん』の簡単なあらすじ

 『坊っちゃん』のあらすじは次の通りです。

 物理学校を卒業した坊っちゃんは、四国の中学校に数学教師として赴任する。教頭の赤シャツは隠れて悪だくみをする卑怯者で、坊っちゃんは気にくわない。坊っちゃんは赤シャツをこらしめて中学校を去り、故郷の東京へ帰っていく。その後知り合いの紹介で街鉄の技手になり、昔から世話になっていた下女の清とともに暮らすことになる。

 以上のあらすじをふまえて書きます。

●読書感想文の書き方を解説した記事はこちら。簡単に書くコツがあります。

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『坊っちゃん』感想文の例

 努力の大切さは誰もが主張するところだろう。好成績を残せたのは十分な努力をしたから、成果が挙がらないのは努力が足りないから、という判断が下される場面は多い。そして、自らの置かれた環境を変えるということが、現実からの逃避であるとして非難の的になることもある。しかし、物事の成否はそう簡単に決まるものではない。「勝負は時の運」という言葉があるように、物事の成否は個人の努力だけではなくて、当人の置かれた環境や、周囲の人間関係によって左右されるのである。そして、物事を好転させるために環境を変えるということが時に有効である。私は『坊っちゃん』を読み、その思いを強くした。
 物理学校を卒業した坊っちゃんは、四国の中学校に数学教師として赴任し、早速その中学校の教師たちにあだ名をつける。校長はたぬき、教頭は赤シャツ、数学教師は山あらし、英語教師はうらなり、美術教師は野だいこ、といった具合である。登場人物たちの性格は非常にわかりやすく色分けされている。坊っちゃんは、後先考えずに行動する素直な人物であり、坊っちゃんを子供のころから世話していた下女の清は、坊っちゃんのどのような行動に対しても理解を示す優しい人物として描かれる。山あらしはまっすぐで曲がったことが嫌いな性格で、純粋な性格の坊っちゃんと気が合う一方、赤シャツやそれにへつらう野だいこは、他人の許嫁を横取りしたり、うらなりを遠方の学校へ転任させたりするような裏表のある性格で、坊っちゃんは彼らと相性が悪く嫌っている。
 物語は終盤、マドンナと呼ばれる女性を巡る騒動に坊っちゃんが巻き込まれていく。赤シャツは、もともと、うらなりの許嫁であったマドンナを横取りし、うらなりを四国の中学校から追い出してしまう。また、それをよく思わない山あらしをも、難癖をつけて辞職させてしまう。坊っちゃんは山あらしと結託して、赤シャツをこらしめ、中学校を去り、故郷の東京へ帰っていく。帰郷した坊っちゃんは、その後知り合いの紹介で街鉄の技手になり、昔から世話になっていた下女の清とともに暮らすことになる。
 物語の中では、坊っちゃんの四国での生活の悪さが強調されている。まず、中学校の生徒たちの素行の悪さが描かれる。ある日、坊っちゃんが宿直のため、学校に泊まることになったのだが、坊っちゃんが寝ようとして布団の中に入ると、そこには生徒たちが仕込んだたくさんのばったが入っており、坊っちゃんは真夜中にばった退治をする羽目になってしまう。三十分ほどかけてばったを退治し終えた坊っちゃんだったが、生徒たちのいたずらはさらに続く。ばった退治を終えた坊っちゃんが寝ようとすると、今度は生徒たちが上の階で大騒ぎする音が聞こえてくる。坊っちゃんが生徒たちを捕まえて問いただすが、生徒たちは「知らない」の一点張りで自分たちの罪を認めようとせず、結局坊っちゃんは生徒たちを相手に一睡もせずに朝を迎えてしまうのであった。このようなばかばかしいいたずらが好きな生徒たちを相手にするのは気が滅入り骨が折れることだろう。
 そして、坊っちゃんを笑いの種にするのは生徒たちだけではなく、教師たちの中にもいる。赤シャツと野だいこが坊っちゃんを連れ出して釣りに出かけた時には、二人は坊っちゃんに関わる内緒話を坊っちゃん本人の目の前でする。また、中学生と師範学校生の間でけんかが起きた時には、赤シャツは、そのけんかの起きた原因を坊っちゃんに背負わせるために、新聞社に手を回し坊っちゃんに不利な記事を書かせるようなことまでしている。赤シャツは裏で悪だくみをする一方で、坊っちゃんを昇給させようとするなど、表面上は好意的な態度を見せることもある。このように、赤シャツは、表向きは好意的な態度を見せながら、時折人を馬鹿にするような態度をちらつかせ、自分の気に入らない人に対しては、自らに不利益が被らないように巧みに裏工作をして意地の悪いことをする人として描かれる。坊っちゃんを取り巻く極端な人間関係は、坊っちゃんに対する同情を読者に呼び起こさせる効果があるのだろう。
 四国の生活環境か悪いほど、清から坊っちゃんのもとへ届く手紙の温かさがいっそう増すのだと感じられる。坊っちゃんの性格は純粋で、人によって態度を変えるということはない。坊っちゃんの行動はいかなる時でも、当人の性質を表している。坊っちゃんの行動には思慮が欠けている点があるかもしれないが、清の目を通して見ると、坊っちゃんは「まっすぐで、よいご気性」となる一方で、赤シャツや野だいこの目を通して見ると、坊っちゃんは向こう見ずの馬鹿に映るのだろう。努力が正当な評価をされないこともあり、人によってその評価は異なると言える。私は、東京に戻って清と過ごした坊っちゃんに、不当な評価をされる環境から逃れることが、時には必要なのだと教えられた。

(1981字)

感想文をスラスラ書くコツ
 

まとめ

 今回は、「時には逃げることも大切」という感じで書いてみました。「やはり努力がもっとも大事だ」「逃げるのはよくない」と思う方は、この作文に反論するかたちで書いてみると、作文がひとつできるでしょう。坊っちゃんがこの場面でこのような行動をすれば、こんなよい結果がうまれたんじゃないか、というかたちで書いてみるとよいかもしれません。

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