変体仮名を読めるようになりたいと思っても、なかなか勉強を始められない……という悩みを抱えている方は多いですね。
「古文書に興味があるけど、むずかしそう」
「そもそも何から手をつければいいのかわからない」
「独学でできるのかな?」
など、変体仮名やくずし字に興味はあるけれど、何をしたらよいのかわからない場合がありますよね。
私は大学在学中、くずし字を読んでいましたが、「この文字、見たことあるけど何だったかな……」とつまづくことは何度もありました。そんなとき、いつも手元の辞典で調べていました。非常に役立つ本なので図書館に行くときも持っていくことが多かったですし、本があれば自習も可能ですよね。
そこで、私が使っていたおすすめの手軽で便利な本をご紹介いたします。
翻刻の勉強に役立つ本
字典かな
変体仮名を、あいうえお順に並べた本です。字母(平仮名のもとになった漢字)も書いてあります。
まずは平仮名をだいたい読めるようになることが第一段階です。変体仮名をたくさん見て、そのときは、字母も確認することが重要です。くずし字を自分の手で書いて覚えるのもよいでしょう。
くずし字解読辞典
こちらは、平仮名だけでなく漢字も網羅した本です。わからない漢字はこれで調べます。音訓だけでなく、字の形からも検索できるので非常に便利です。
日本の昔の書状は漢文ですので、古文書を読むために漢字の知識は欠かせません。もちろん、仮名文学にも漢字は使われています。ですので、日本史と国文学、どちらの専攻に進みたい方も持っていて損ではありません。くずし字の辞書は上記ふたつがあれば十分です。平仮名を『字典かな』で確認して、わからない漢字は『くずし字解読辞典』で調べると効果的です。
ちなみに、当サイトではテキストとして、江戸時代の「小倉百人一首」のくずし字と翻刻を公開しております。こちらは現代語訳の一覧ページですが、このページからそれぞれの歌の解説ページに移動することができます。字母や文法解説もついておりますので、自習の手引きとしてご利用ください。
百人一首を使ったくずし字講座
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室町物語影印叢刊
もっと色々読んでみたい方は影印本を読みましょう。影印本とは、古典籍ひとつの作品を撮影して本にまとめたものです。『室町物語影印叢刊』は中世の物語を影印本にしたシリーズで、色々な作品があります。
翻刻は『室町時代物語大成』(横山重・松本隆信共編、角川書店、1973年)を参照しましょう。対応する作品が見つかることが多いので参考になります。
まずは平仮名を読めるように
くずし字を読めるようにするには、まず平仮名から取りかかることです。覚えるときは、もとになった漢字も確認し、ときには自分で書いてみると効果的です。そのように数をこなしていくうちにだいたい読めるようになっていきます。
はじめに読む本は、すでに活字で読んだことのある作品や、内容をあらかじめ知っているものが読み進めやすくて良いと思います。
楽しみながら勉強を進めていきましょう。
変体仮名の一覧はこちらでも確認できます
>> 【ひらがな】くずし字一覧
百人一首をテキストにして、くずし字を読めるようになろう!