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広辞苑が国文学の研究に使えない理由【日本国語大辞典 第二版が基本です】

広辞苑は国文学の研究に使えないから日本国語大辞典の第二版を使おう。

投稿日:2018年3月29日 更新日:

岩波書店の『広辞苑』を研究で使うことはできません。大学の授業で基本的に利用するのは小学館の『日本国語大辞典 第二版』です。今回は参照するべきおすすめの辞書について書いてみようと思います。

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『広辞苑』は引用できない

私が学生時代に所属していた国文学専攻では発表資料に『広辞苑』を引用すると教授から注意を受けます。『広辞苑』が研究に使えないことは、専攻の初年度に教わる基本的なことです。

『広辞苑』を使えない理由

『広辞苑』が研究に使えないのは用例がないからです。例として使い方が示されることがありますが、それは過去の文献で実際に使われた例ではありません。実際に使われた例、すなわち実例の記載がない場合が多いのです。

『日本国語大辞典 第二版』

基本的に参考にするのは『日本国語大辞典 第二版』(平成12年、小学館)です。

特徴や使い方は次の通りです。

●掲載される語義の順番が意味の歴史的な展開に沿っている。
●用例は単なる使い方ではなく実例。
●各項目の初出例、すなわち最古の使用例を参照するのは重要。
●第二版には用例に年代がつけられている。

初出例が明治時代のものなら平安時代の文献に見られる言葉の意味の解釈として使えません。

また、「語源欄」は参照するべきでないというのが注意点です。

古語辞典

特に参照するべき古語辞典は下記の三点です。

●『角川古語大辞典』(昭和57年、角川書店)
●『時代別国語大辞典 上代編』(昭和42年、三省堂)
●『時代別国語大辞典 室町時代編』(昭和60年、三省堂)

おわりに

『広辞苑』はふだん使うのには便利ですが、大学の授業や研究には使えませんので注意が必要です。『日本国語大辞典』やその他の古語辞典を併用して、わからない言葉を参照するのが基本です。

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