観劇記

風の谷のナウシカの歌舞伎化は誰の為になるのか?

ナウシカ歌舞伎:だれとく

投稿日:2019年12月8日 更新日:

2019年12月・新橋演舞場歌舞伎公演は、「風の谷のナウシカ」を原作とした「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」です。

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「スーパー歌舞伎 ワンピース」(2015年)の二匹目のどじょうを狙うように、最近は「NARUTO -ナルト-」(2018年)・「風の谷のナウシカ」(2019年)など、漫画・アニメの歌舞伎化が続いています。

普段から歌舞伎を見る者の一人として、私は漫画やアニメの歌舞伎化はこれきりにしてほしいと思います。ナウシカの舞台を見ずに不平を述べるのは良くないと知りつつ、今回は思う所を書きます(※舞台の感想ではありません)。(※役者名は敬称略)

 

「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」に対する賛否の声・口コミ

好意的な意見・評判

 

否定的な意見・評判

 

原作のファンも違和感

筆者の知り合いでジブリ作品が好きな人は、テレビ番組で流れた舞台映像を見て「主演の役者が気持ち悪い。ナウシカに合っていない」と不評でした。歌舞伎を見る知人の反応もイマイチでした。

 

歌舞伎化された漫画・アニメ作品を見ても歌舞伎愛好者になりづらい

筆者は「スーパー歌舞伎 ワンピース」を見て、予期に反して「面白い」と思いました。四代目・市川猿之助の演出、そして横内謙介の脚本が優れていたからこその名舞台でした。

私は「これなら歌舞伎を見たことのない人におすすめできる」と感じ、「歌舞伎を見てみたい」という知人の何人かにおすすめしたこともありました。私としては、これを機にほかの歌舞伎の芝居も見てもらい、定期的に歌舞伎座や国立劇場に足を運ぶような「歌舞伎愛好者」になってもらいたかったのですが、ほとんど全員、ほかの歌舞伎の古典作品を見てもピンとこないようで(あるいは見ようともせず)、継続的に歌舞伎を見るようにはなりませんでした。

やはり、「スーパー歌舞伎 ワンピース」の作風と、その他の歌舞伎の演目の雰囲気の違いが、彼らが歌舞伎ファンとして定着に至らなかった原因なのだろうと考えられます。

 

「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」を誰に見てもらいたいのだろうか

私は音羽屋が好きなので、今回のナウシカも気が乗らない(ナウシカを見たことがない)とはいえ、見ようと思ってチケットを買おうとしました。しかし、松竹歌舞伎会会員のチケット発売日には、すでにほぼ完売の状況で、結局買えませんでした。

優先的にチケットが買えるはずの松竹歌舞伎会会員でこの状況であれば、普段歌舞伎を見ない人にとっては、なおさらチケットが取りづらいのではないでしょうか。このようなチケットの販売状況を見ても、この舞台が誰のために作られたのか分かりかねます。

また、菊之助には古典の演目にもっと意欲的に取り組んでほしいと思います。先人に学ぶべきことがまだまだたくさんあるのではないでしょうか。
 

2019年12月は歌舞伎座に来てほしい

2019年12月の歌舞伎座公演は、非常に充実しているので、歌舞伎に興味がある方はこちらにお越しください。一幕見席(ひとまくみせき)という当日券があります。

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